深井（読み）フカイ

デジタル大辞泉

ふかい〔ふかゐ〕【深井】

姓氏の一。
[補説]「深井」姓の人物
深井英五ふかいえいご
深井志道軒ふかいしどうけん

ふか‐い〔‐ゐ〕【深井】

１ 深い井戸。
２ 能面の一。中年の女面で、多く「隅田川」「三井寺」など、子を失って悲しむ狂女の役に用いる。深い憂いをたたえた表情からの名称という。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ふか‐い‥ゐ【深井】

1. 〘 名詞 〙
2. ① 深い井戸。
3. ② 能楽の面の一つ。女面のうち、中年で、多く狂女を表わし「隅田川」「桜川」「三井寺」などに用いる。
   1. 
      深井②
   2. [初出の実例]「さほ姫やふかいの面いかならむ〈鼠弾〉」(出典：俳諧・曠野（1689）二)

ふかいふかゐ【深井】

1. 姓氏の一つ。

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【深井】しんせい

深い井。

字通「深」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

世界大百科事典（旧版）内の深井の言及

【能面】より

…(4)は最も能面らしい表現のものといわれ，若い女面として小面（こおもて），増（ぞう），孫次郎，若女の4タイプがあり，それぞれ現在は流派によって使用を異にしている。やや老け役の面として曲見（しやくみ）と深井があり，これに霊性をもたせたものが泥眼（でいがん），増(十寸)髪（ますかみ），年たけた霊性のものとして霊女（れいのおんな），瘦女（やせおんな），老女，姥（うば）などがある。　能面は，能が本来演劇と歌舞の二つの要素の巧みな統合によって成り立っているように，写実と抽象の巧みな融合によって一つの形式美を作り出すところに特色がある。…

※「深井」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」