渋川神社(読み)しぶかわじんじや

日本歴史地名大系 「渋川神社」の解説

渋川神社
しぶかわじんじや

[現在地名]八尾市植松町三丁目

近世には天神社とよばれた。現祭神は天忍穂耳尊・饒速日尊・国狭槌尊・日高大神・菅原道真だが、国狭槌尊以下三神は明治五年(一八七二)に合祀されたもの。国狭槌尊はもと当地にあった比枝ひえ神社の神、日高大神はもとさかえ町にあった狐山の神、菅原道真はもと渋川にあった渋川天神社の神である。旧郷社。渋川は六世紀後半からみえる地名で、現在の植松うえまつ安中やすなか・渋川地域にあたる。用明天皇二年、蘇我馬子物部守屋の戦いの時、守屋は渋河の家で防戦し(「日本書紀」崇峻天皇即位前紀)、渋川と物部氏の関係の深さが知られ、当社と物部氏との関係も想定できるが、それ以上詳しくはわからない。「延喜式神名帳若江郡に「渋川シブカワノ神社二座」とみえ、その古写本である金剛寺蔵本に付された標注により、「弘仁式」段階で存在していたことが知られる。

渋川神社
しぶかわじんじや

[現在地名]尾張旭市印場元町

北島きたじまにある。祭神高皇産霊大御神・御食津大神・阿須波大神・大宮売大神・大年大神・庭高日大神・波比伎大神・八重事代主大神。旧村社。景行天皇の代創建と伝え、天武天皇五年九月、新嘗祭のための斎忌ゆきに卜定された際、御食津大神以下の七神を合祀したもので、往昔新居あらい稲葉いなば大森おおもり藤森ふじもりやしろ一社いつしや高針たかばり(現名古屋市)などの産土神であったという(東春日井郡誌)。以前は天神社と称していたが、旧地(現在地の南西約四〇〇メートル)の地名渋河そぶこにより、「延喜式」にみえる渋川神社と改称した。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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