渋紙(読み)シブガミ

デジタル大辞泉 「渋紙」の意味・読み・例文・類語

しぶ‐がみ【渋紙】

《「しぶかみ」とも》はり重ねた和紙柿渋を塗って乾かしたもの。防寒防水衣類部屋敷物荷物包装などに用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「渋紙」の意味・読み・例文・類語

しぶ‐かみ【渋紙】

〘名〙 (現在は「しぶがみ」とも) 紙をはり合わせ、柿渋を塗ってかわかしたもの。防寒・雨よけの衣類とし、敷き物、荷物の包装などに用いる。
多聞院日記‐天文一三年(1544)八月一三日「しふ紙仕り了んぬ」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「渋紙」の意味・わかりやすい解説

渋紙
しぶがみ

柿渋(かきしぶ)で加工した和紙。柿渋は古くは柿油ともいって、晩夏のころに青柿より絞り取る。この生渋(なましぶ)を半年以上置くとさらに良質の古渋になるが、成分はシブオールというタンニン一種で、これを和紙に数回塗布することによって耐水性ができ、じょうぶになる。江戸時代には紙衣(かみこ)、合羽(かっぱ)、敷物、荷札、包み紙などに広く使用された。また、捺染(なっせん)の型紙も渋紙の一種である。とくに渋とべんがら(紅殻・弁柄)を混ぜたものは、雨傘の「渋蛇の目(しぶじゃのめ)」の塗料とされた。

[町田誠之]

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