満誓(読み)マンセイ

デジタル大辞泉 「満誓」の意味・読み・例文・類語

まんせい【満誓】

奈良前期の僧・歌人俗名笠朝臣麻呂かさのあそみまろ。養老5年(721)出家し、元正天皇の命により筑紫観世音寺を造立。大宰帥だざいのそちとなった大伴旅人親交があり、沙弥さみ満誓・笠沙弥の名で万葉集にその歌がある。生没年未詳

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関連語 笠麻呂 ソチ

精選版 日本国語大辞典 「満誓」の意味・読み・例文・類語

まんせい【満誓】

  1. 奈良時代の僧・歌人。俗名、笠朝臣麻呂。従四位上右大弁に至って、元明上皇の病気平癒を祈願して出家。造筑紫観世音寺別当となり、大伴旅人・山上憶良らと交友がある。「万葉集」に七首の歌を残した。生没年未詳。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「満誓」の意味・わかりやすい解説

満誓
まんせい

奈良時代の官人、僧。生没年、系譜ともに未詳。俗名は笠(かさ)朝臣(のあそみ)麻呂(まろ)。704年(慶雲1)従(じゅ)五位下、706年7月美濃守(みののかみ)となり、716年(霊亀2)には尾張(おわり)守を兼ねた。国守としての政績もよく、田などを賜っている。717年(養老1)従四位上、720年10月右大弁となったが、721年5月元明(げんめい)太上天皇の不予に際し出家を願って許された。723年観世音寺(かんぜおんじ)の建立を命ぜられて筑紫(つくし)に下り、天平(てんぴょう)初年大宰帥(だざいのそつ)となった大伴旅人(おおとものたびと)とも交わった。『万葉集』に七首の歌がある。軽妙洒脱(しゃだつ)な歌もみられるが「世の中を何にたとへむ朝びらき漕(こ)ぎいにし船の跡なきごとし」は、仏教的無常観を詠んだ作として有名。

[稲岡耕二]

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