奈良時代の官人、僧。生没年、系譜ともに未詳。俗名は笠(かさ)朝臣(のあそみ)麻呂(まろ)。704年(慶雲1)従(じゅ)五位下、706年7月美濃守(みののかみ)となり、716年(霊亀2)には尾張(おわり)守を兼ねた。国守としての政績もよく、田などを賜っている。717年(養老1)従四位上、720年10月右大弁となったが、721年5月元明(げんめい)太上天皇の不予に際し出家を願って許された。723年観世音寺(かんぜおんじ)の建立を命ぜられて筑紫(つくし)に下り、天平(てんぴょう)初年に大宰帥(だざいのそつ)となった大伴旅人(おおとものたびと)とも交わった。『万葉集』に七首の歌がある。軽妙洒脱(しゃだつ)な歌もみられるが「世の中を何にたとへむ朝びらき漕(こ)ぎいにし船の跡なきごとし」は、仏教的無常観を詠んだ作として有名。
[稲岡耕二]
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