溶岩樹形(読み)ヨウガンジュケイ

関連語 富士山麓

百科事典マイペディア 「溶岩樹形」の意味・わかりやすい解説

溶岩樹型【ようがんじゅけい】

溶岩斜面を流下する際に樹木を巻き込んで冷え固まると,熱によって焼失した樹木の跡が空洞となって地中に残されることがあり,これら縦穴や横穴溶岩樹型と呼ぶ。また,樹木内部に溶岩が入り込み,焼失部分が少しずつ溶岩によって補われることで幹の形を残したまま冷え固まったものをさすこともある。形成された横穴に溶岩鍾乳石が群生する場合,垂れ下がった鍾乳石が肋骨状となるため,これらを人体内部に見立てて胎内樹型と称する。富士山の北麓地域には特に顕著な分布がみられ,独特の形状から信仰の対象となったものもあり,船津・吉田の両胎内樹型は富士山の構成資産として2013年,世界遺産に登録された。
→関連項目鬼押出し富士山富士箱根伊豆国立公園

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岩石学辞典 「溶岩樹形」の解説

熔岩樹型

樹木の周りに形成された冷却された熔岩の殻[Shrock : 1948].(1) 流動性の大きな熔岩が森林地を流れる際に樹木を包囲して固結し,埋められた樹木が燃えた後にその型が熔岩の中に残された樹幹の形をした穴.(2) 樹幹の中に熔岩が侵入して樹幹が焼失するに従って熔岩がその部分を充填し,樹幹がそのままの形で固結している熔岩.(3) 熔岩流がさらに流れ下って表面が低下し,樹型をとどめた固結した部分が熔岩流の表面から突出して残ったもの[片山ほか : 1970,渡辺編 : 1935].英語でmouldと書く場合があるが,mouldとmoldは同じ.

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