精選版 日本国語大辞典 「潮吹」の意味・読み・例文・類語
しお‐ふきしほ‥【潮吹】
- 〘 名詞 〙
- ① 水面にあらわれたクジラが呼気とともに潮水を吹き上げること。噴気。
- [初出の実例]「小さな噴水があり、鯨の潮吹きみたいに時々水を吹き上げる」(出典:半チョッパリ(1971)〈李恢成〉二)
- ② 船のかじの羽板(はいた)にあけた穴。和船では羽板のへりに小穴を一つあける。輪精(りんせい)。〔日葡辞書(1603‐04)〕
- ③ バカガイ科の二枚貝。本州東北地方以南から九州に分布する。殻長約四センチメートルの三角形状でよくふくらむ。表面はふつう紫褐色または白色で、細い成長肋がある。泥中から掘りだすと水管から潮水を吹くのでこの名がある。内湾の砂泥の潮間帯干潟にすみ、アサリやハマグリにまじってとれる。美味だが内臓に砂が多い。しおふきがい。《 季語・春 》
- [初出の実例]「したたみ、あさり貝、しほふきあげの、すだれ貝ちらと見染めし姫貝に」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)二)
- ④ 里神楽(さとかぐら)の馬鹿おどりに用いる面。片目が小さく、口のとがった醜男(ぶおとこ)の面。ひょっとこ。潮吹の面。潮吹面。
- ⑤ 屋根瓦用の土などを掘る所。
- [初出の実例]「洛南深草山より瓦土を所々掘とる所を塩(シホ)ふきといふ」(出典:随筆・奇遊談(1799)一)