濁沸石(読み)だくふっせき(その他表記)laumontite

日本大百科全書(ニッポニカ) 「濁沸石」の意味・わかりやすい解説

濁沸石
だくふっせき
laumontite

沸石一種。空気中で脱水し、指でもんだとき容易に粉末化する。結晶形は四角柱状で、端は切出し小刀様になっている。一部結晶水が抜けて準安定化したものを水につけておくと、完全にもとの濁沸石に戻る。変質した火山岩の空隙(くうげき)中や細脈中に産する。また弱変成作用を受けた堆積(たいせき)岩などを切る脈としてもよくみられる。そのほかスカルンペグマタイト、熱水鉱脈中など、産状に富む。英名は、この鉱物を最初に発見したフランス人、ローモンFrançois Pierre Nicolas Gillet de Laumont(1747―1834)にちなむ。和名は、脱水してすぐ白濁するところから名づけられた。

松原 聰]


濁沸石(データノート)
だくふっせきでーたのーと

濁沸石
 英名    laumontite
 化学式   CaAl2Si4O12・4H2O
 少量成分  Na,K
 結晶系   単斜
 硬度    3~4
 比重    2.3
 色     無,白,桃,黄
 光沢    ガラス~真珠
 条痕    白
 劈開    二方向に完全
       (「劈開」の項目を参照

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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