雨戸の敷居の外側に設けられる雨ざらしの縁側。単に「縁」とも、雨ざらしであることから「雨縁(あまえん)」ともいわれる。普通の縁側は、長手方向に縁板を張るが、濡れ縁では縁と直角方向に縁板を張る。これを切目縁(きれめえん)といい、雨水のはけやすいように目透(めす)かし張(ば)りとする。そして通常、外に向かって100分の1程度の水だれ勾配(こうばい)をつける。
根太(ねだ)を組み、貫(ぬき)を目透かし張りにした簀子(すのこ)縁、貫のかわりに丸竹を並べた竹縁などの種類がある。また、数寄屋(すきや)建築では縁板の継ぎ目に丸竹を挟む方法もある。材質はヒノキがもっともよいが、マツなども使われる。
近年、椅子(いす)式の生活の普及に伴い、濡れ縁をバルコニーやテラスと同じように、生活空間を外へ延長するための手段と考える場合が少なくない。この場合は、1.2~1.5メートル以上の奥行をもたせ、椅子を置くのに十分な広さをとる必要がある。
[中村 仁]
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