日本大百科全書(ニッポニカ) 「瀘州」の意味・わかりやすい解説
瀘州
ろしゅう / ルーチョウ
中国、四川(しせん)省南部の地級市。揚子江(ようすこう)と沱江(だこう)の合流点に位置する。3市轄区、瀘県など4県を管轄する(2016年時点)。人口508万9000(2014)。春秋時代の巴(は)国の地で、漢代は江陽(こうよう)県、隋(ずい)・唐代は瀘川県、元代以後は瀘州となり、中華民国時代の瀘県を経て1950年城区を分けて市が置かれた。
古来、四川盆地防衛の要地で、今日も四川省と貴州(きしゅう)省さらに雲南(うんなん)省へと3省を結ぶ自動車道上に位置し、また、揚子江上流の重要河港でもある。この交通網により、自貢(じこう)の塩をはじめとする四川省南部、貴州省北部、雲南省北東部の物資の集散地として発展した。さらに合成アンモニア、尿素などの化学工業を中心に製糖などの食品や機械工業がみられ、付近には天然ガス産地も開発された。揚子江沿いに瀘州藍田空港があるが、瀘県に建設中の新空港(2018年開港予定)に移転される予定である。「酒城」とよばれるほど酒類製造が盛んで、「瀘州老窖(ろうこう)」や「郎酒」などの特産の酒が有名。
[小野菊雄・編集部 2017年8月21日]