火灯口(読み)カトウグチ

デジタル大辞泉 「火灯口」の意味・読み・例文・類語

かとう‐ぐち〔クワトウ‐〕【火灯口】

壁面などに設ける火灯形出入り口。特に、茶室の出入り口の形式の一。鴨居方立ほうだてを使わず、一般には上をアーチ状に丸く塗り固めたもの。給仕口茶道口によく使われる。
歌舞伎大道具で、舞台正面の屋台に設ける火灯形の出入り口。

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精選版 日本国語大辞典 「火灯口」の意味・読み・例文・類語

かとう‐ぐちクヮトウ‥【火灯口・瓦灯口・花頭口】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「がとうぐち」とも )
  2. 家の壁などに設けた火灯形の出入り口。特に茶室の火灯形の茶道口や、その様式をいう。鴨居(かもい)や方立(ほうだて)を用いないで壁をくり、上部を櫛形か円頂形に塗り固め、紙張りの引き戸をつけたもの。
    1. [初出の実例]「ひたいくゎとう口のごとく」(出典:評判記・嶋原集(1655)松之部)
  3. 歌舞伎芝居の大道具の一つ。二重舞台正面にある火灯形の出入り口。
    1. [初出の実例]「一面の平舞台・見附大くゎとう口・金唐紙(きんからかみ)ぐゎん龍の模様」(出典:歌舞伎・韓人漢文手管始(唐人殺し)(1789)二)
  4. かとうびたい(火灯額)
    1. [初出の実例]「ひたいのてい、けうこつなり。くとうくちを大うねりにすりあぐるもあり、小うねりに剃(する)もあり」(出典:仮名草子・都風俗鑑(1681)二)

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