無憂樹(読み)ムユウジュ

デジタル大辞泉 「無憂樹」の意味・読み・例文・類語

むゆう‐じゅ〔ムイウ‐〕【無憂樹】

マメ科の常緑高木。インドなどに産する。葉は羽状複葉で、若葉紅色。4枚のがくが花びら状をし、黄から橙・赤色に変わる。摩耶夫人まやぶにん藍毘尼園らんびにおんのこの樹下釈迦を安産したところからの名。阿輸迦樹あしゅかじゅ。むうじゅ。

むう‐じゅ【無憂樹】

むゆうじゅ(無憂樹)

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精選版 日本国語大辞典 「無憂樹」の意味・読み・例文・類語

むう‐じゅ【無憂樹】

  1. 〘 名詞 〙 ( [梵語] aśoka の訳 ) 木の名。釈迦の生母摩耶夫人が、藍毘尼園にあったこの木の下で釈迦を生み、母子ともに安らかであったところから名づけられたという。その花を無憂華という。無憂華樹。むゆうじゅ。
    1. [初出の実例]「釈迦如来の御母摩耶夫人〈略〉二月の八日、嵐毗尼薗の无憂樹下に行給ふ」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
    2. [その他の文献]〔酉陽雑俎‐貝編〕

むゆう‐じゅムイウ‥【無憂樹】

  1. 〘 名詞 〙むうじゅ(無憂樹)
    1. [初出の実例]「此花の色香優れて咲たるは、無憂樹(ムユウジュ)と云木にて」(出典浄瑠璃釈迦如来誕生会(1714)一)

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