デジタル大辞泉 「然こそ」の意味・読み・例文・類語 さ‐こそ【▽然こそ】 [副]1 (あとに推量を表す語を伴って)そのことが十分に推察できるさま。さぞや。さぞかし。「遺族の気持ちは然こそと察せられる」2 そのように。「―大人びさせ給へど、いときなき御齢よはひにおはしますを」〈源・澪標〉[類語]さだめし・さぞかし・さぞ・さぞや・さだめて 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「然こそ」の意味・読み・例文・類語 さ【然】 こそ ( 「こそ」は強めの指示の助詞。副詞的に用いる )① 副詞「さ」の①を強めたいい方。本当に。そのように。そこまでも。あんなに。[初出の実例]「さこそ、強がり給へど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕顔)② 文脈上または心理的にすでに存する事物、事態を、当然そのようにあるべきだと肯定的に推量する気持を示す。さぞかし。いかにも。当然。[初出の実例]「これ、さこそ出立ちもすれ。親ある人の身の才もなくて、豪家を頼み、たからを尽して、したにくぐりをしつつ華やぐ人は、学生にはあらず」(出典:宇津保物語(970‐999頃)祭の使)「十一月十九日のあしたなれば、河原の風さこそすさまじかりけめ」(出典:平家物語(13C前)八)③ 文脈上または心理的にすでに存する事物、事態を、そうあるのも無理はないと認めつつ、否定的に拒否する気持を示す。いくら…でも。なるほど…ではあっても。[初出の実例]「山ふかくさこそ心はかよふとも住まであはれを知らん物かは〈西行〉」(出典:新古今和歌集(1205)雑中・一六三二) しかれ【然】 こそ そうであるからこそ。だからこそ。[初出の実例]「然有社(しかれこそ) 年の八歳(やとせ)を きり髪の 吾同子(よちこ)を過ぎ 橘の 末枝(ほつえ)を過ぎて 此の河の 下にも長く 汝が心待て」(出典:万葉集(8C後)一三・三三〇七) さ‐こそ【然こそ】 ⇒さ(然)こそ 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例