デジタル大辞泉
「父子鷹」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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父子鷹 (おやこだか)
子母沢寛の代表的な長編小説。1955年5月~56年8月,《読売新聞》に連載。生涯を小普請でおわった勝小吉はせめて息子の麟太郎(のちの海舟)だけでも世に出したいと考え,日夜心をくだく。その小吉の江戸っ子侍的な気質は麟太郎にも伝わっており,人間的交渉もまたそこに生まれる。作者は《父子鷹》だけでなく《おとこ鷹》あるいは《勝海舟》などの長編でも勝父子の情を深い共感をもって描いているが,そこには祖父斎藤鉄太郎に育てられた彼自身の思いがこめられている。同時に小吉の八方破れな行動や彼をとりまく江戸市井人とのふれあいを通して,江戸幕末期の風物を描こうという意図もうかがわれる。
執筆者:尾崎 秀樹
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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父子鷹
父と子が共に優れた能力を持っていることを表す比喩。スポーツ報道のタイトルなどで用いられていることが多い。小説家・子母澤寛(しもざわかん)の小説『父子鷹』に由来する。同小説は型破りな無頼漢として知られた勝海舟の父・小吉を主人公とし、剣術・洋学修行に励む若き日の勝麟太郎(のちの勝海舟)や、幕末の江戸の様子、市井の人々を描いている。最近では「父子」ではなく「親子鷹」とも表現され、性別を問わないようになっている。
出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報
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出典 小学館デジタル大辞泉プラスについて 情報
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世界大百科事典(旧版)内の父子鷹の言及
【子母沢寛】より
…また《突っかけ侍》(1934‐36)を連載するころからしだいに白浪物,幕末物もふえ,《勝海舟》(1941‐46,間に休載期をふくむ)を長期にわたって書きつぐ過程で戦後の幕末物が開花した。《[父子鷹](おやこだか)》《逃げ水》《おとこ鷹》《駿河遊俠伝》などの話題作がある。【尾崎 秀樹】。…
※「父子鷹」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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