牧神の午後(読み)ボクシンノゴゴ

関連語 半獣神

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「牧神の午後」の意味・わかりやすい解説

牧神の午後
ぼくしんのごご
L'Après-midi d'un faune

1幕のバレエ。音楽 C.ドビュッシー。振付 V.ニジンスキー。装置 L.バクスト。 1912年パリのシャトレ座で S.ディアギレフバレエ・リュスによって初演された。 S.マラルメの同名の象徴詩により創作されたもので,眠れる牧神にニンフたちが近づき誘惑し,そして遠ざかるという夢幻的な物語を,古典バレエ技法にとらわれず,跳躍旋回を避け,大胆な動きとポーズで表現した革新的な作品。ほかに S.リファールや J.ロビンズの新解釈による改訂版がある。

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デジタル大辞泉プラス 「牧神の午後」の解説

牧神の午後〔バレエ〕

ロシア舞踊家・振付家ヴァーツラフ・ニジンスキーによるバレエ(1912)。原題《L'après-midi d'un faune》。初演はディアギレフ率いるバレエ・リュス。ニジンスキー自身が牧神を演じた。マラルメの同名の詩に着想を得た作品。音楽はドビュッシーの管弦楽曲『牧神の午後への前奏曲』を使用。

牧神の午後〔漫画〕

山岸凉子による漫画作品。伝説的なバレエダンサー・ニジンスキーの生涯を描いている。『ぶ~け』1989年11月号に掲載。朝日ソノラマ全1巻。

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世界大百科事典(旧版)内の牧神の午後の言及

【ロビンズ】より

…44年L.バーンスタインの音楽でバレエ《ファンシー・フリー》を初めて振付け大成功をおさめた。49‐59年,ニューヨーク・シティ・バレエ団(シティ・バレエ)の芸術監督補佐として,ストラビンスキーの音楽による《檻(おり)》(1951),ドビュッシーの音楽による《牧神の午後》(1953)などを振付け,57年にはバーンスタインの音楽によるブロードウェー・ミュージカル《ウェスト・サイド物語》の振付で,世界的な名声を得た。58年と61年のスポレート音楽祭出演のために〈バレエUSA〉を創立したが,長続きせず,69年〈シティ・バレエ〉に復帰した。…

※「牧神の午後」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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