デジタル大辞泉 「物申」の意味・読み・例文・類語 もの‐もう〔‐まう〕【物申】 [感]《「物申す」の略》他家を訪問して案内を請うときにいう語。たのもう。ごめんください。「―。案内まう」〈虎清狂・泣尼〉 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
精選版 日本国語大辞典 「物申」の意味・読み・例文・類語 もの‐もうし‥まうし【物申】 〘 名詞 〙 ( 古くは「ものまをし」 )① ものを申し上げること。あるいは、取り次いで伝えること。また、その職の人。[初出の実例]「縄の端(はし)に鐸(ぬりて)を懸けて、謁者(モノマウシ)に労ること無かれ」(出典:日本書紀(720)顕宗元年二月(図書寮本訓))② 祝詞などを奏すること。[初出の実例]「矛とり直して、物まうしの声、皺ぶる人なれば、おかしと聞たる」(出典:読本・春雨物語(1808)目ひとつの神) もの‐もう‥まう【物申】 [ 1 ] 〘 感動詞 〙 ( 「ものもうす(物申)」の略 ) 他人の家に行って、戸口で案内を請う時に言う語。主として男子が用いる。ごめんください。頼もう。〔日葡辞書(1603‐04)〕[初出の実例]「おもてからものまふと云程に、たれぞとこそ思ふたれ」(出典:虎明本狂言・武悪(室町末‐近世初))[ 2 ] 三重県多気郡などで、元日の朝に子どもが家々を訪れて蜜柑をもらい歩く習俗。「物申す」と言いながら訪れるところからいう。 もの‐も【物申】 〘 感動詞 〙 「ものもう(物申)」の変化した語。[初出の実例]「親のかたへ帰りませう。ものも。お案内」(出典:狂言記・貰聟(1660)) 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例