特殊陶磁器(読み)とくしゅとうじき

百科事典マイペディア 「特殊陶磁器」の意味・わかりやすい解説

特殊陶磁器【とくしゅとうじき】

原料鉱物の電気的・磁気的・熱的・機械的性質などの特殊な物性を利用し,陶磁器の手法に準じて製造される磁器。用途により電磁気用磁器(絶縁体誘電体磁性体半導体),耐熱磁器,耐食磁器,硬質磁器,多孔質磁器に分類され,材質的にはアルミナ磁器,ムライト磁器,炭化物磁器,滑石磁器チタン磁器,スピネル磁器,ジルコン磁器などがある。→ニューセラミックスファインセラミックス
→関連項目デビトロセラミックス陶磁器

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

改訂新版 世界大百科事典 「特殊陶磁器」の意味・わかりやすい解説

特殊陶磁器 (とくしゅとうじき)
special ceramics

通常の陶磁器の原料が粘土,長石,ケイ石などケイ酸塩であるのに対し,酸化アルミニウム酸化ジルコニウム窒化ケイ素などケイ酸塩以外に原料が拡大されており,しかも製造法自身は陶磁器の手法に準じているものをいう。特殊陶磁器の用途は耐火物,切削工具,電気材料,磁性材料などである。代表的な用途と用いられている物質を表に示す。特殊陶磁器が精緻(せいち),精細,高度となったものがファインセラミックスである。このため経過的な用語ともいえる。しかし絶縁材料としてのスパークプラグ,酸化アルミニウムで作った切削工具などは,現代のセラミックスの目覚ましい発展の先導的な役割を果たしたものとして評価されている。
執筆者:


出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android