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狂乱物価 きょうらんぶっか

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

狂乱物価
きょうらんぶっか

急騰した物価の状態を指す。第1次石油危機を契機として,それまで落ち着いていた物価は,1973年以降2年ないし3年にわたって2ケタの上昇率を示すに至った。これをもたらした国内要因としては,第1に国際収支の黒字を背景に通貨供給量が増大し過剰流動性となったこと,第2に国際収支の黒字縮小を図るため,積極的な財政政策が展開されたことに加え,日本列島改造に端を発した株価,地価,卸売物価の上昇,第3に需給ギャップの縮小から一部の商品に不足現象が見られ,買い占め・売り惜しみなどの投機的行動を誘発したこと,さらに第4次中東戦争勃発による原油価格の高騰などがあり,これらが複雑に絡み合った結果といえる。

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デジタル大辞泉の解説

きょうらん‐ぶっか〔キヤウラン‐〕【狂乱物価】

昭和49年(1974)に日本で起こった物価の異常な高騰のこと。田中角栄内閣の列島改造政策による地価・物価の高騰、賃金の上昇、金融緩和による過剰流動性に加え、第一次オイルショックによる原油価格の高騰が重なり、インフレが加速。石油製品トイレットペーパーなどの買い占め騒動が起こり、消費者物価指数が20パーセント以上上昇した。

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世界大百科事典内の狂乱物価の言及

【石油危機】より

…原油価格は,1973年10月と74年1月の2回値上げされ,合計で4倍近くに急騰した。日本経済は,74年に戦後初めてのマイナス成長に陥り,国際収支も大幅赤字となり,狂乱物価といわれるほどに卸売物価,消費者物価ともに年率2割をこえて上昇した。74年には日本のGNPの3%近くが,価格高騰によって産油国に移転した。…

【日本資本主義】より


【石油危機以降】

[スタグフレーションとその克服]
 1973年秋の第4次中東戦争でOAPEC諸国が採用した石油戦略,つづいてOPECが実施した原油価格の4倍引上げという石油危機によって,日本経済は欧米先進諸国ともどもに深刻なスタグフレーションにおちいった。すでに73年初めから過剰流動性インフレの状態にあったところへ原油高騰とそれへの便乗値上げが加わり,同年秋から74年春にかけて年率で卸売物価30%,消費者物価25%の〈狂乱物価〉が生じる一方,インフレ抑制のために採られた厳しい総需要抑制政策の結果,74年のGNP成長率は戦後はじめてのマイナスを記録した。これに対し,政府は赤字国債を含む国債の大増発によって大規模な財政スペンディングを行い,民間企業は省エネルギーと人減らしを内容とする減量経営を実施し,さらに輸出が伸張したため,76年以降経済成長率は5%台まで回復した。…

【物価】より

…図にみられるとおり,この時期,卸売・消費者物価指数はともに朝鮮戦争以来の20%を超える高率で上昇した。いわゆる狂乱物価である。ただし図を注意深くみればわかるように,物価は1973年すでに大幅に上昇しているのであり,これを73年秋から始まった石油危機(第1次)にすべて帰することはできない。…

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