狭木之寺間陵(読み)さきのてらまりよう

日本歴史地名大系 「狭木之寺間陵」の解説

狭木之寺間陵
さきのてらまりよう

[現在地名]奈良市山陵町

佐保丘陵の西南端近い位置に営まれたほぼ南面する前方後円墳で、小字御陵前ごりようまえにある。全長二〇七メートル、前方部幅八七メートル、後円部径一三一メートル、高さ一九・三メートル。墳丘の周囲には水濠がめぐらされ、前方部の両側と後円部北方に渡り土手がある。「古事記」に「狭木之寺間陵」とみえる垂仁天皇皇后比婆須比売(「日本書紀」では日葉酢媛)命の陵とされている。「日本書紀」垂仁天皇三二年の条に、次の記述がある。

<資料は省略されています>

野見宿禰の進言で、殉死代用埴輪土師部によって作られ、初めてこの皇后の墓に立てられたという。また「古事記」には土師部と同様に石祝作いしきつくりも定めたとあり、すなわち「姓氏録」右京神別に「石作連、火明命六世孫建真利根命之後也、垂仁天皇御世、奉為皇后日葉酢媛命、作石棺献之、仍賜姓石作大連公也」とみえる石棺作りであった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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