猫間川(読み)ねこまがわ

日本歴史地名大系 「猫間川」の解説

猫間川
ねこまがわ

平野川の支流。現阿倍野区の北東部に発し、平野川の西方、現生野いくの区・東成ひがしなり区の西部を北流して現東区の大阪城東方で平野川に合流していた河川。現在は埋立てられて姿を消し、流路の跡はおもに道路になっている。

「天文日記」天文二〇年(一五五一)二月一六日条に「子コマツヽミ」に土筆取に行った記事があるので、名称は中世以来のものと推定される。江戸時代の当川は摂津住吉郡南田辺みなみたなべ村のももヶ池(現阿倍野区)をはじめ、近辺の溜池からの小流および河内八上やかみ郡方面からの小流が、住吉郡桑津くわづ(現東住吉区)北西で落合い、東成国分こくぶ(現天王寺区)付近で一筋の流れになって北流していた川で、小橋おばせ村・玉造たまつくり(現天王寺区)などから大坂城三ノ丸の東側を北上、大坂城青屋あおや口の東方で平野川と合流した。川筋の橋では玉造二軒茶屋(現東成区)前の黒門くろもん橋が有名。川名の由来について「摂津名所図会大成」は「一説に此傍辺往昔猫間家の所領たりし故斯はなづけり」と記し、また「百済くだら川に対して高麗こま川といひしを後世猫間川と訛るなりと云」との説も載せる(百済川は平野川の部分異称)。猫間は寝駒とも書かれたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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