玩・弄・翫(読み)もちあそぶ

精選版 日本国語大辞典の解説

もち‐あそ・ぶ【玩・弄・翫】

〘他バ四〙 =もてあそぶ(玩)
※霊異記(810‐824)中「船長、嬢を見て、言ひ煩はし嘲(ゑつらか)し啁(モチアソブ)。〈国会図書館本訓釈 啁 母知阿曾弖〉」

もて‐あそび【玩・弄・翫】

〘名〙
① いつくしんで心の慰めにする人。遊び相手。
※源氏(1001‐14頃)若紫「思ひの外の事、おのづから出で来るを、いとをかしきもてあそびなり」
② 賞翫しつれづれをなぐさめるもの。また、なぐさみごと。
※源氏(1001‐14頃)乙女「御前近き前栽、五葉・紅梅・桜・藤・山吹・岩つつじなどやうの春のもてあそひをわざとは植ゑて」
③ 手まさぐりにして遊びなぐさむもの。おもちゃ。
※虎明本狂言・鍋八撥(室町末‐近世初)「かっこと申物は尋常なるものにて、児若衆達のもてあそびになって」

もて‐あそ・ぶ【玩・弄・翫】

〘他バ五(四)〙
① 手に持って遊ぶ。手でいじって興じる。また、なぐさみの対象として興じる。
※書紀(720)神代上(兼方本訓)「大己貴神、即ち取りて掌中(たなうら)に置きて、翫(モテアソヒ)たまひしかば」
② 身近に置いたり眺めたりして観賞の対象とする。風流ななぐさみ物とする。
※躬恒集(924頃)「月に乗りてささら水をもてあそぶ」
③ 人を身近に置いてかわいがる。心の慰めとして愛する。
※源氏(1001‐14頃)浮舟「わか君の御としまさりたまへるをもてあそびうつくしみたまふ」
④ 自分の物であるかのように勝手に扱う。思うままにする。また、なぶる。一時的ななぐさみの相手にする。おもちゃにする。
※ぎやどぺかどる(1599)上「御作の物を翫び、それを以てでうすを敬ひ奉るべきこそ本意なるべけれ」
※浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉二「さんざ人の感情を弄(モテアソ)んで置きながら」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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