御作(読み)ギョサク

デジタル大辞泉 「御作」の意味・読み・例文・類語

ぎょ‐さく【御作】

貴人作品
相手を敬って、その作品をいう語。

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精選版 日本国語大辞典 「御作」の意味・読み・例文・類語

お‐つくり【御作】

〘名〙 (「お」は接頭語)
① 「つくり(作)」を丁寧にいう語。
※うつせみ(1895)〈樋口一葉〉二「白紙を切て姉様(あねさま)製造(オツクリ)余念なく」
② (「つくり」は「つくりもの」の略) 「さしみ刺身)」を丁寧にいう語。もと、女房詞
青草(1914)〈近松秋江〉五「鮮麗な鯛のおつくりなどを食べつつ」
③ 女性の化粧をいう丁寧語
※雑俳・柳多留‐八四(1825)「おつくりが出来ると寒いさくや姫」
④ 髪を飾ること。〔俚言集覧(1797頃)〕

ご‐さく【御作】

〘名〙 (「ご」は接頭語) 貴人の作ったもの。また、他人を敬って、その作ったものをいう。特に江戸初期、歌舞伎若衆の美しい容貌を仏像にたとえて「誰々の御作」といったり、また、舞台に登場した若衆をほめて「誰の御作」などと掛け声をかけたりした。
徒然草(1331頃)二二五「源光行多くの事を作れり。後鳥羽院の御作もあり。亀菊にをしへさせ給けるとぞ」
仮名草子東海道名所記(1659‐61頃)一「桟敷よりあれあれ、御らいかうよとほむれば、芝居よりは声をあわせて、御作(ゴサク)は誰ぞなんどいひののしり」

ぎょ‐さく【御作】

〘名〙
① 貴人の作ったもの。
② 他人を敬って、その作ったものをいう語。

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