現量(読み)ゲンリョウ

デジタル大辞泉 「現量」の意味・読み・例文・類語

げん‐りょう〔‐リヤウ〕【現量】

[名](スル)インド認識論で、直接知覚すること。目・耳・鼻・舌・身の感覚器官外界事物との接触から生じるとされる。

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精選版 日本国語大辞典 「現量」の意味・読み・例文・類語

げん‐りょう‥リャウ【現量】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「量」は、対象をはかり認識すること )
  2. 仏語。三量(現・聖・教、または現・比・非)の一つ。外界の対象を、比較、推理することなく、直観的に覚知すること。視・聴・嗅・味・触などの感覚のままに、眼識などの五識やそれと同時に起こる意識によって対象を把握すること。
    1. [初出の実例]「諸法も現量(ゲンリャウ)に過ず、現に人馬、牛狗烏、乃至蟻螻と云物共あり」(出典:真如観(鎌倉初))
    2. 「二三歳の心は、本分にちかし、現量(げんリョウ)無分別の形にて、実の語にも似たり、道心の下地也」(出典:雑談集(1305)四)
  3. 目で対象をはかること。目算見当
    1. [初出の実例]「又身之見量には、四千内外之由見切候、兎角に四万・三万と申つる趣、不審に候」(出典:上杉家文書‐(元亀三年)(1572)九月一八日・上杉謙信書状)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「現量」の意味・わかりやすい解説

現量
げんりょう
pratyakṣa-pramāṇa

仏教用語。直接知覚のこと。仏教論理学では正しい認識手段としての現量と,推論による認識である比量および聖者言葉である聖教量の三量があるが,陳那にいたって,現量と比量の二量説になった。

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