琉球国絵図(読み)りゆうきゆうこくえず

日本歴史地名大系 「琉球国絵図」の解説

琉球国絵図(正保国絵図)
りゆうきゆうこくえず

三舗

原本 東京大学史料編纂所

解説 元禄国絵図の調製時に参考のため正保国絵図の写として作製されたものとされる。縮尺は一里六寸(約二万一千六〇〇分の一)。奄美地域(七二八×三四八センチ)五島(鬼界島・大島・徳之島・永良部島・与論島)で合計高三万二千八二八石余、沖縄島地域(三五一×五七二センチ)八島(悪鬼納島・計羅摩島・戸無島・久米島・粟島・伊恵島・伊是那島・恵平屋島)で合計高七万一千七八七石、両先島(三四〇×六二五センチ)の二島(宮古島・八重山島)の合計高一万九千九六石余である。村数は一七三。奄美諸島は薩摩鹿児島藩の直轄地で実質的には琉球国の支配領域外であったが、対幕府および対中国関係上では琉球国の内として処理されていた。国絵図にもそれが反映されている。琉球国絵図史料集第一集に収載


琉球国絵図(天保国絵図)
りゆうきゆうこくえず

三舗

原本 国立公文書館内閣文庫

解説 琉球国大島外四島(三一五×五七五センチ)、同沖縄島外七島(三二〇×五四三センチ)、同八重山島外壱島(二六一×五六六センチ)からなる。縮尺は正保度・元禄度と同じく一里六寸で、石高は元禄度と同一である。正保・元禄両度の国絵図が各領主から提出されたのに対し、天保度は郷村高帳・懸紙修正図などを各領主から提出させ幕府勘定所で一括して改訂作製した。海は濃い群青色で彩色され特徴的であるが、地形や島を取巻く干瀬(リーフ)などの作図はやや簡略なものとなっている。琉球国絵図史料集第三集に収載。


琉球国絵図(元禄国絵図)
りゆうきゆうこくえず

三舗

原本 国立公文書館内閣文庫

解説 正保国絵図の様式をほぼ踏襲し、琉球国大島外四島(三一二×五九七センチ)、同沖縄島外七島(三〇五×五八四センチ)、同八重山島外壱島(二六一×五八九センチ)からなる。石高はわずかに両先島が四勺八才増加しているだけで、ほかは正保度に同じ。ただし山や村形の描写形式に若干の変化がみられ、正保度の悪鬼納島から沖縄島、間切では摩父仁から摩文仁、具志上から具志頭名瀬から奈瀬、石牆から石垣へ表記が改められた。村数は正保度の一七三から沖縄島で一村減少し、一七二となっている。琉球国絵図史料集第二集に収載。


琉球国絵図(正保国絵図)
りゆうきゆうのくにえず

三舗

原本 東京大学史料編纂所

解説 寛永二一年の幕府の命によって作製された正保国絵図の写とみられ、元禄国絵図作成時に参考のため調製されたものと推測されている。三舗のうち一舗が奄美地域の分で、七二八×三四八センチ。間切・村のほか、湊・崎・山や里程なども記載されている。「琉球国絵図史料集」第一集として刊行された。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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