生剥(読み)いきはぎ

精選版 日本国語大辞典 「生剥」の意味・読み・例文・類語

いき‐はぎ【生剥】

〘名〙
① 生きているけものの皮をはぎとること。いけはぎ。古代では「天つ罪」の一つ。
書紀(720)神代上(水戸本訓)「則ち斑駒(ふちこま)を生剥(イキハギ)にし、殿(みやらか)の内に納(なげい)る」
② 法外な代金を要求して、持物をみなはぎとること。あくどい手段で利益をむさぼること。また、その人。
浮世草子・立身大福帳(1703)五「伏見の下り舟でくひ物を買へば生はぎにするとて」

なま‐はげ【生剥】

〘名〙 (「なま」は「なもみ」の意) 秋田県男鹿半島などで、旧暦正月一五日、近年では大晦日の晩に行なう行事。また、その行事に登場するもの。青年数人が、恐ろしい鬼の面をかぶり、蓑(みの)を着、木製刃物・鍬・幣束・桶・箱などを持ち、家々を訪れて酒食ふるまいを受け、祝儀をもらう。現在は、鬼が火だこのできるような怠け者を懲らしめに来るとされているが、元来は、遠方から正月に訪れて来る異郷の神を表わすものの名残りであるとされる。なもみはぎ。火形たくり。《季・新年‐冬》
風俗画報‐二二四号(1901)諸国正月行事「生剥とて村々の男共は、〈略〉手に銀紙貼の包丁を持ち家毎に廻る」

いけ‐はぎ【生剥】

〘名〙 =いきはぎ(生剥)
※書紀(720)神代上(兼方本訓)「則ち斑駒(ふちこま)を生剥(イケハギ)にし、其の殿の内に納(なげい)る」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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