用材林(読み)ようざいりん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「用材林」の意味・わかりやすい解説

用材林
ようざいりん

森林の利用区分の一つ。森林は利用上、林業用地と非林業用地に区分され、さらに林業用地は薪炭林用材林に細分される。用材とは、建築材、家具材、紙・パルプ材などに使用される木材のことであるが、その用途が多いため、用材の利用範囲を示すことは困難であり、一般に薪炭林以外の林業用地を用材林とよんでいる。日本の場合、薪炭需要が減少したこと、紙・パルプ原料が外材に依存するようになったことなどのため、林業生産に供される森林の多くは、建築材生産を目的とした用材林である。

飯田 繁・佐藤宣子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「用材林」の意味・わかりやすい解説

用材林
ようざいりん
high forest; seedling-forest

建築材などの構造材の生産を主目的とする山林で,林木を大きく育てるところから高林または喬林とも呼ばれる。実生 (みしょう) の苗木を育てることが普通で,特に外国ではそれが重要視されているが,日本では挿木による場合もある。経済上有利な山林であるが,天然林の場合は価値の低い樹種も多く,材積収穫も少いところから,有用樹種の人工林への転換 (林種転換または拡大造林) が急務とされている。 (→薪炭林 )

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世界大百科事典(旧版)内の用材林の言及

【森林】より

…庶民の生活のための燃料や米などの生産のための肥料を確保するための入会山(いりあいやま)の制度が定着し,一方,徳川幕府直轄の山林や各藩が支配する御林の制度ができた。御林は幕府や藩の用材林であり,みずからの使用に供するほか,財源ともなり,特定の材は一般の伐採を厳禁し,薪炭材などの生活用材のみの伐採を許した。とくに,林内で伐採して渓流部に集材し,河川の水流を利用して運材し,さらに海岸を回送する一連の技術とその体系は日本独自のものである。…

※「用材林」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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