田中足麻呂(読み)たなかのたるまろ

朝日日本歴史人物事典 「田中足麻呂」の解説

田中足麻呂

没年:文武2.6(698)
生年:生年不詳
7世紀後半の官人。名は足摩侶とも書く。壬申の乱(672)で大海人皇子(のちの天武天皇)方で活躍したひとり。伊勢国(三重県)の湯沐令(東宮の封戸である湯沐の管理者)であった。吉野(奈良県吉野町)から東国に向かった大海人皇子を国司らと鈴鹿関(三重県関町)で迎え,次いで倉歴道(三重県伊賀町から滋賀県甲賀町に至る)に遣わされたが,近江朝廷の別将田辺小隅奇襲にあって大敗した。直広参で死去し,このとき壬申の功をもって直広壱を贈位された。

(橋本義則)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「田中足麻呂」の解説

田中足麻呂 たなかの-たりまろ

?-698 飛鳥(あすか)時代の武人
伊勢(いせ)(三重県)の湯沐令(ゆのうながし)(東宮に支給された食封(じきふ)の地の役人)。壬申(じんしん)の乱(672)の際,吉野を発した大海人(おおあまの)皇子(天武天皇)を鈴鹿関にむかえ,その後,伊賀(いが)と近江(おうみ)をむすぶ倉歴道(くらふのみち)をまもったが,大友皇子(弘文(こうぶん)天皇)方の田辺小隅(おすみ)軍の奇襲をうけて大敗した。文武天皇2年6月死去。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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