田舞い(読み)たつつまい

精選版 日本国語大辞典 「田舞い」の意味・読み・例文・類語

たつつ‐まい‥まひ【殊儛・田舞】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 上代の舞の一種。立ったり、すわったりして舞うものという。また、立ち、進み、舞うものとも。
    1. [初出の実例]「天皇遂に殊儛(タツツノマひ)。〈殊儛を古に立出(タツツ)儛と謂ふ。立出此をば陁々豆々儛と謂ふ。儛ふ状は乍いは起ち乍いは居て儛ふなり〉」(出典日本書紀(720)顕宗即位前(図書寮本訓))
  3. たまい(田舞)
    1. [初出の実例]「皇太子、群臣宴に侍り。是に再(ふたた)田儛(タツツマヒ)(つかまつ)る」(出典:日本書紀(720)天智一〇年五月(北野本南北朝期訓))

た‐まい‥まひ【田舞・田儛】

  1. 〘 名詞 〙 五穀がよく実るように祈って神に奉納する歌舞田植の際の歌舞に起こり、天智朝には宮中でも行なわれ、後には雅楽寮田舞師・田舞生を置いて教習させた。また、大嘗会(だいじょうえ)の巳(み)の日に主基(すき)が奏するのが恒例となった。ほかに、伊勢・春日神社などの神事にも用いられた。戦国時代に絶え、江戸後期に再興されたが以後廃絶。今は歌詞のみ伝えられる。田楽(でんがく)。でんぶ。
    1. [初出の実例]「天皇、西の小殿に御す。〈略〉是に於て、再び田儛を奉す」(出典:日本書紀(720)天智一〇年)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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