留寿都(読み)るすつ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「留寿都」の意味・わかりやすい解説

留寿都(村)
るすつ

北海道西部、後志(しりべし)総合振興局管内の村。尻別(しりべつ)岳、貫気別(ぬきべつ)山などに囲まれた火山灰台地の農山村。国道230号が通じる。村名はアイヌ語のルシュプキ(険しい葦原(あしはら)の道の意)からの転訛(てんか)。1870年(明治3)本願寺道路が開通すると3戸の移住があり、1889年には元開拓使御用係橋口文蔵(1853―1903)による大農場経営が始まった。農地大部分畑地で、ジャガイモアスパラガススイートコーンの主産地。ジャガイモの紅丸(べにまる)種の発祥地。ウシブタの飼育も行われる。1980年代以降リゾート開発が行われ、4000人収容の大ホテルを中心に遊園地、ゴルフ場、スキー場、プール、キャンプ村などを備えた「ルスツリゾート」が立地、付近にペンションなどもでき、純農村の姿を変えている。面積119.84平方キロメートル、人口1911(2020)。

[瀬川秀良]

『『留寿都村史』(1969・留寿都村)』


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改訂新版 世界大百科事典 「留寿都」の意味・わかりやすい解説

留寿都[村] (るすつ)

北海道南西部,後志(しりべし)支庁虻田郡の村。人口2034(2010)。〈るすっつ〉ともいう。羊蹄山南麓に位置する,道内有数の高冷地畑作地帯である。中心集落は標高374mの地にあり,札幌と洞爺湖を結ぶ国道230号線が通り,ニセコ町への道を分岐する。最初の入植は明治初期に行われ,1889年ころには農場が開かれて急速に開拓が進んだ。ジャガイモ栽培とデンプン製造が盛んに行われ,デンプン用品種〈紅丸(べにまる)〉の発祥地とされている。またアスパラガスも導入され,第2次大戦後は缶詰工場との契約栽培により作付けが急増した。現在も主産業はジャガイモ,アスパラガスを中心とする畑作農業で,近年は花卉栽培も行われる。国道沿いに大和(だいわ)ルスツスキー場(現,ルスツリゾート),登川温泉(純食塩泉,30℃)がある。
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