出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…婦人も結婚によって姓を変えることなく,むしろ結婚後は,某の妻某氏というふうに実家の姓をこそ自己の名とする。 同姓不婚,異姓不養という両面の規範が,〈姓〉の根底にある基本観念を物語っている。それは,人はその父の生命の延長としてこの世に生きるという観念であり,父子の関係を組み合わせ積み重ねてみれば,共同の祖先から父系の血筋を通じて分かれ出た子孫はすべて同一の生命の拡大した同類にほかならないという観念である。…
…同姓不婚は要するに共同祖先の男系の血脈内での通婚禁止の制である。同姓不婚と表裏をなすものとして〈異姓不養〉がある。男系の血続を維持するため,娘に他姓から養子を迎えて本族を継がせるようなことはせず,養子の必要があれば必ず同姓から迎える。…
…現代中国では宗族や家系のために嗣子を立てることは許されていない。【植松 正】
[朝鮮]
李朝の初期ころまでは姓の異同に関係なく3歳未満の子を養子として育てる習俗があったが,氏族制度が普及するに伴い,李朝の中期以降は中国と同じく異姓不養が原則とされるに至った。したがって養子の縁組は姓も本貫も同じくする同姓同本の近親内の,しかも子の世代に当たる者に限られた。…
※「異姓不養」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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