発展の権利(読み)はってんのけんり

大辞林 第三版の解説

はってんのけんり【発展の権利】

人権および基本的自由を実現させるための経済的・社会的・文化的および政治的発展に参加・貢献し、これを享受する権利。すべての人間および人民が有するとされる。

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百科事典マイペディアの解説

発展の権利【はってんのけんり】

right to developmentの訳。人間こそが発展の受益者であると同時に主体でなければならないとの考えに立って,発展による利益の享受を基本的人権であるとする考え。この考えを初めて取り上げたのはセネガルの最高裁長官ムバイエで,1972年にストラスブールの人権研究所で行った講演において〈人権を享受することなしに,発展はありえない。両者の間には,相互に弁証法的な過程が存在する〉と述べた。また,1975年にユネスコの平和部会長ワサクは〈第三世代の人権〉という考えを明らかにし,市民的・政治的権利を〈第一世代の人権〉,社会的・文化的権利を〈第二世代の人権〉とし,〈健康と環境に対する権利〉〈平和に対する権利〉〈人類の共同遺産に関する権利〉〈発展の権利〉などを〈第三世代の人権〉に挙げた。国連でも1986年12月4日に〈発展の権利に関する宣言〉が採択され,基本的資源,教育,保健衛生,食糧,住居,雇用,公平な所得配分に対する権利などが発展の権利として掲げられた。また,この権利は1992年のリオ・デ・ジャネイロでの国連環境開発会議や同年の〈環境と開発に関するクアラルンプール宣言〉のなかでも取り上げられている。→国連世界人権会議

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