発生期状態(読み)ハッセイキジョウタイ(その他表記)nascent state

デジタル大辞泉 「発生期状態」の意味・読み・例文・類語

はっせいき‐じょうたい〔‐ジヤウタイ〕【発生期状態】

ある元素化合物から遊離した瞬間に、化学的に大きな活性を示すこと。水素酸素でみられる。

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精選版 日本国語大辞典 「発生期状態」の意味・読み・例文・類語

はっせいき‐じょうたい‥ジャウタイ【発生期状態】

  1. 〘 名詞 〙はっせいき(発生期)

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改訂新版 世界大百科事典 「発生期状態」の意味・わかりやすい解説

発生期状態 (はっせいきじょうたい)
nascent state

ある物質化学反応によって生成した瞬間に異常に高い反応性をもつ状態。たとえば硫酸酸性の過マンガン酸塩水溶液通常の水素を通じても変化は起こらないが,同じ水溶液亜鉛を加えて溶液内で水素を発生させると,発生期状態の水素が反応して,溶液の色が紫色から無色に変化する。これは,化学反応によってつくられたばかりの水素が余分のエネルギーをもち,活性化の状態にあるためと考えられる。このような高い反応活性は酸素,窒素などにもみられる。
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化学辞典 第2版 「発生期状態」の解説

発生期状態
ハッセイキジョウタイ
nascent state

発生直後の反応性に富んだ状態.たとえば,次亜塩素酸HClOは不安定な化合物で,分解して塩化水素と酸素を生じるが,分解反応の素過程は

HClO → HCl + O

と考えられ,原子状酸素は反応性がきわめて高い.亜鉛に希硫酸を作用させて発生した水素もこの状態にあって,過マンガン酸イオンを含む溶液中で発生させると,過マンガン酸イオンの赤紫色が脱色される.単に水素ガスを通じただけでは脱色されない.発生期状態水素,発生期状態酸素のようによぶことがある.

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百科事典マイペディア 「発生期状態」の意味・わかりやすい解説

発生期状態【はっせいきじょうたい】

ある元素の原子がある化合物から遊離した瞬間に化学的にきわめて活性が強くて反応性に富む状態になることがある。このときの状態を発生期状態という。たとえば希硫酸中で亜鉛と反応して生ずる水素は,発生した瞬間には発生機状態にあり,普通の水素よりきわめて強い還元力をもつ。

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