白堤(読み)はくてい

世界の観光地名がわかる事典 「白堤」の解説

はくてい【白堤】

中国の浙江(せっこう)省の省都、杭州(こうしゅう)(ハンチョウ)にある、西湖の人工堤防。東の断橋から錦帯橋を通って西の平湖秋月まで、長さ1kmにわたって西湖を東西に分断する形で造られた。◇当初は「白沙堤」と呼ばれ、宋時代には「孤山路」とも呼ばれた。堤防の上には外側に桃、内側に柳が植えられ、春になると桃の花の薄紅色と柳の新緑とのコントラストが美しく、白堤を代表する景観として知られている。唐代の大詩人・白居易が杭州の刺史長官)であった時、西湖の開拓と大規模な水利工事を興し、民に恩恵を与えたことから、後世の人がその徳を忍んで「白堤」と呼ばれるようになった。

出典 講談社世界の観光地名がわかる事典について 情報

[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「白堤」の解説

はくてい【白堤】

奈良の日本酒。酒名は、以前蔵のあった長柄町の白堤(しらとり)神社由来。「菩提もと」は室町時代の酒造法で醸す濃醇甘口の純米酒。ほかに大吟醸酒など。原料米は主に山田錦、五百万石。仕込み水は布留川伏流水蔵元の「宮崎酒造」は明治初期創業。所在地は天理市丹波市町。

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世界大百科事典(旧版)内の白堤の言及

【西湖】より

…漢代には明聖湖や銭塘湖という名で知られていたが,唐代になり杭州が南方開発の中心として栄えるようになって注目された。封入されてからも,周囲の山地からの河川が運ぶ泥土で,湖水は縮小,沼沢化がすすんでいたが,安定した灌漑用水,都市の生活用水の確保,漕運の便宜,あるいは美しい景観を保持するために修築が加えられ,中でも唐の白居易(楽天)の築いた白堤,宋の蘇軾(そしよく)(東坡)の築いた蘇堤は有名。湖中湖岸の名勝は数多いが,西湖十景と呼ばれるのは,三潭印月,蘇堤春暁,平湖秋月,双峰挿雲,柳浪聞鶯,花港観魚,曲院風荷,断橋残雪,南屛晩鐘,雷峰夕照である。…

【白居易】より

…その後,忠州(四川省)の刺史を経て中央に復帰し,821年(長慶1)には中書舎人となった。翌年杭州(浙江省)の刺史に転出すると,西湖に堤防を築いて灌漑事業を興した(白堤という)。ほどなく中央へもどり,刑部侍郎に至り,829年(太和3)病気を理由にいったん辞職し,次いで太子賓客として洛陽の勤務となった。…

※「白堤」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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