白癩(読み)ビャクライ

デジタル大辞泉 「白癩」の意味・読み・例文・類語

びゃく‐らい【白×癩】

ハンセン病の一型の古称身体一部または数か所の皮膚が斑紋状に白くなるものをさす。しらはだ。
そむけば白癩になるという意で、強い決意や禁止を表す語。副詞的に用いる。
「商ひ馬に乗らんとは、―ならぬ、ならないぞ」〈伎・矢の根
不意の出来事に驚く気持ちを表す語。感動詞的に用いる。
一文字に切り付くれば、―これはと抜き合はせ」〈浮・伝来記・七〉

しら‐はたけ【白×癩】

色素減少消失によって皮膚に白斑ができる病気

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「白癩」の意味・読み・例文・類語

びゃく‐らい【白癩】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 皮膚が白くなるハンセン病をいった語。しらはだ。白癩病。白山瘡(はくさんそう)
    1. [初出の実例]「眉ぬけ鼻はしらたうれて白らいといふ病にわかりしに」(出典:宝物集(1179頃))
    2. [その他の文献]〔法苑珠林‐六〇〕
  3. ( もしこの誓いを破ればの病になってもよいという気持から ) みずから誓っていうことば。副詞的に用いて、「断じて」「必ず」という強い決意を表わす。
    1. [初出の実例]「此月が師走で、水が油で海道がおれが身ならば、白癩きくまひと云しにひとし」(出典:俳諧・蠅打(1664)一)
  4. ( から転じて、感動詞的に ) 不意の出来事に驚く気持を表わす。実に。全く。
    1. [初出の実例]「座配大かた也、狂言のときん白癩わすれたるの一言にて、是も大かた推量いたされたり」(出典:評判記・赤烏帽子(1663)岩崎金作)

しら‐はたけ【白癩】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「しらはだけ」とも ) =しらはだ(白肌)
    1. [初出の実例]「白癩(しらはたけ)と云て病付きて、祖(おや)と契りし乳母(めのと)も、穢なむとて不令寄(よらしめ)ず」(出典今昔物語集(1120頃か)二〇)

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