白癩(読み)びゃくらい

精選版 日本国語大辞典 「白癩」の意味・読み・例文・類語

びゃく‐らい【白癩】

〘名〙
皮膚が白くなるハンセン病をいった語。しらはだ。白癩病。白山瘡(はくさんそう)
宝物集(1179頃)「眉ぬけ鼻はしらたうれて白らいといふ病にわかりしに」 〔法苑珠林‐六〇〕
② (もしこの誓いを破れば①の病になってもよいという気持から) みずから誓っていうことば。副詞的に用いて、「断じて」「必ず」という強い決意を表わす。
※俳諧・蠅打(1664)一「此月師走で、水が油で海道がおれが身ならば、白癩きくまひと云しにひとし」
③ (②から転じて、感動詞的に) 不意の出来事に驚く気持を表わす。実に。全く。
評判記赤烏帽子(1663)岩崎金作「座配大かた也、狂言のときん白癩わすれたるの一言にて、是も大かた推量いたされたり」

しら‐はたけ【白癩】

〘名〙 (「しらはだけ」とも) =しらはだ(白肌)
今昔(1120頃か)二〇「白癩(しらはたけ)と云て病付きて、祖(おや)と契りし乳母(めのと)も、穢なむとて不令寄(よらしめ)ず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「白癩」の意味・読み・例文・類語

びゃく‐らい【白×癩】

ハンセン病の一型の古称身体一部または数か所の皮膚が斑紋状に白くなるものをさす。しらはだ。
そむけば白癩になるという意で、強い決意や禁止を表す語。副詞的に用いる。
「商ひ馬に乗らんとは、―ならぬ、ならないぞ」〈伎・矢の根
不意の出来事に驚く気持ちを表す語。感動詞的に用いる。
一文字に切り付くれば、―これはと抜き合はせ」〈浮・伝来記・七〉

しら‐はたけ【白×癩】

色素減少消失によって皮膚に白斑ができる病気

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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