食の医学館 「白米・玄米」の解説
はくまいげんまい【白米・玄米】
《栄養と働き》
米はでんぷん組成と性質によってうるち米とモチ米の2種類にわけられます。うるち米は、さらに搗精(とうせい)方法(精白する方法)によって、玄米(げんまい)、胚芽米(はいがまい)、精白米(せいはくまい)(白米)にわけられます。
玄米は外皮(もみ殻(から))だけを除いたもので、胚芽米は玄米からさらにぬか層を取り除いたもの、ぬか層も胚芽も除いたものが精白米です。
〈消化がよく食べやすい白米、ビタミンB群含有量は玄米が上〉
<白米>
○栄養成分としての働き
白米に豊富に含まれる炭水化物は体内でブドウ糖をつくります。ブドウ糖は脳の唯一のエネルギー源。脳を若々しく保つのには必要不可欠な栄養素です。
炊(た)いたご飯を食べるときにかんで粒状になった米が、腸に送られ、食物繊維と同じ働きをすることもわかっています。さらに、血圧の安定に有効に働くギャバという物質も含んでいます。これらの働きにより、便秘(べんぴ)の解消、高血圧予防に有用です。
白米は亜鉛(あえん)の供給源としてもおおいに役立ちます。含有量はそれほど多くはありませんが、コンスタントに食べる機会があるので、結果的に摂取量が多くなるわけです。
亜鉛は細胞の新生に欠かせない酵素の原料となる栄養素。不足すると、子どもの場合は成長が遅れることがありますし、成人の場合は味覚障害や胃腸障害などが起こります。
白米はぬか層も胚芽部分も取り除かれているので、ビタミン、ミネラル、食物繊維の含有量は玄米にくらべて少ないのですが、消化がよく食べやすいのが利点です。
<玄米・胚芽米>
○栄養成分としての働き
ビタミン、ミネラル、食物繊維は未精製に近いものほど豊富なので、玄米は白米より含有量で勝っています。玄米はとくにビタミンB群、E、鉄、カルシウムなどを多く含むので、疲労回復、老化防止に効果的です。食物繊維も豊富なので便秘予防にも働き、コレステロールの吸収を抑制するので動脈硬化などの生活習慣病にも有効です。ただし、消化があまりよくないのが難点。食物繊維のフィチン酸がカルシウムの吸収を妨げるという短所もあります。
最近は、ギャバが多く消化されやすい発芽玄米も人気を呼んでいます。
胚芽米は、白米に近い味わいで、ビタミンEが白米より多めに含まれています。玄米よりも消化吸収が勝っています。
《調理のポイント》
ご飯はとくに朝食に食べるのがベスト。朝食に必要な栄養分は、おもにブドウ糖とたんぱく質です。これらは体温を上昇させ、脳の活動を活発にするからです。
ご飯は長時間にわたって血中にブドウ糖を供給するので、スタミナが持続するため、1日のスタートを切る朝食として最適といえるのです。
玄米は消化が悪いので、よくかんで食べましょう。とくに胃弱、胃下垂(いかすい)の人は気をつけましょう。