胚芽米(読み)ハイガマイ

デジタル大辞泉 「胚芽米」の意味・読み・例文・類語

はいが‐まい【×胚芽米】

胚芽が残るように精米した米。ビタミンBなどを含む。
[類語]玄米白米新米古米古古米うるち粳米もち糯米黒米精白米内地米外米早場米遅場米新穀米粒飯粒小米屑米

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精選版 日本国語大辞典 「胚芽米」の意味・読み・例文・類語

はいが‐まい【胚芽米】

〘名〙 米粒の胚の部分をおとさないよう精白した米。ビタミンや無機物含有量が多い。
※日本料理通(1930)〈楽満斎太郎〉料理法の巻「胚芽米であるとか、或はこれに類するいろいろ結構な営養食品の研究の結果を」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「胚芽米」の意味・わかりやすい解説

胚芽米
はいがまい

胚芽をできるだけ残し、外皮はできるだけ除くように精白した米。ビタミンB1含量が白米よりかなり多いので昭和20年代の初めまではかなり推奨されたが、食味がよくなく、また強化米の出現需要は少なくなった。しかし近年、胚芽保有率80%以上(精白度91~93%)に精白した「はいが精米」が開発され、1977年(昭和52)より配給米となった。これは100グラム当りビタミンB1含量が0.3ミリグラムと高く、水洗せずに普通の炊飯器で二度炊きすれば、おいしい飯となるので、ふたたび見直されている。すなわち「はいが精米」は不淘米(ふとうまい)であるので、水洗しないから、水洗のとき吸水する分として2割程度多く水を加える(1カップに対し1.4、また少量のときには1.5)。また炊飯時、白米より熱を多く必要とするから、炊飯器の蓋(ふた)が十分締まっているよう注意し、一度炊き上がって電気釜(がま)のスイッチが切れてから、もう一度スイッチを入れて加熱を長くする、いわゆる二度炊きを行う。このようなことに注意すればおいしい飯ができあがり、冷飯となってもぼろぼろすることが少ない。なお胚芽米には、ビタミンB1ほか、B2・B6・E、必須(ひっす)アミノ酸カルシウムなどが含まれている。

[不破英次]

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改訂新版 世界大百科事典 「胚芽米」の意味・わかりやすい解説

胚芽米 (はいがまい)

外皮はほとんど除くが,胚芽をできるだけ残した精米をいう。脚気や潜在性ビタミンB1欠乏症を治療し予防するのに有効であるということで,昭和の初期にはかなり推奨されたことがある。近年は合成のビタミンB1が安価になり,強化米ができるようになったので,需要は少なくなったが,最近また見直されている。胚芽米精米機が開発され,搗精(とうせい)方法としては,分銅抵抗をはじめに強くし後で弱める,搗精の途中でいったん冷却するなど特別にくふうされているが,原料としては粒形の丸い米や,乾燥のよい米は胚芽が残りやすいといわれている。最近の胚芽米は胚芽保有率80%以上の精米であることの条件が規定されている。

 胚芽米はビタミンB1,B2,B6,Eのほか必須アミノ酸,カルシウムなどを含有しており,毎日の食事を通じてバランスよく自然の栄養を摂取できる。とくにビタミンEの効用が研究され,老化防止と動脈硬化に伴う成人病予防に効果があるといわれている。また胚芽米はとがずに炊けるように精米されており,軽く2度くらい水洗いするだけにとどめるのがよい。胚芽米は胚芽が残っていて貯蔵中に変質しやすいので夏季には注意が必要である。
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百科事典マイペディア 「胚芽米」の意味・わかりやすい解説

胚芽米【はいがまい】

普通80%前後の穀粒に胚芽を残している精米をいう。ビタミンB1を多量に含む胚芽を落としてしまう白米,ぬか層を多く残す7分づき・半つき米より栄養価が高い。搗精(とうせい)の初めに普通の精米法と同じに強くつき,胚芽が脱落し始めるころから弱くすると胚芽米となる。
→関連項目玄米

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「胚芽米」の意味・わかりやすい解説

胚芽米
はいがまい
rice with embryo buds

精米をするときに胚芽を残してある米で,七分づき程度のもの。幼芽,幼茎,原始葉,鞘葉,鞘根などから構成される胚芽には,脂肪と蛋白質が多く,特にビタミン B1 が多量に含まれているので,白米より栄養価が高いが,消化率は劣る。

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世界大百科事典(旧版)内の胚芽米の言及

【米】より

イネ【竹生 新治郎】
[食用]
 白米の精白歩留りが90~92%であるのに対して,歩留りが95~96%のものを半搗米または5分搗米,93~94%のものを7分搗米と呼んでいる。また,胚芽を残してぬか層のみを除いたものを胚芽米と呼んでいる。一般に米を玄米のまま炊飯利用せず,白米として炊飯利用するのは,玄米は不味であり消化率も低いためである。…

※「胚芽米」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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