百年目(読み)ヒャクネンメ

デジタル大辞泉 「百年目」の意味・読み・例文・類語

ひゃくねん‐め【百年目】

100年後にあたる年。
のっぴきならなくなること。運のつき。「ここで会ったが百年目、観念しろ」
めったにない好運。「福徳百年目

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精選版 日本国語大辞典 「百年目」の意味・読み・例文・類語

ひゃくねん‐め【百年目】

〘名〙
① めったにない好機や好運。
浮世草子・好色盛衰記(1688)四「福徳の百年めよき仕合なり」
運命のきわまる時。運のつき。悪いことが露顕した時などにいう。
※雲形本狂言・空腕(室町末‐近世初)「私の子ら孫ら迄名をよごす事、所詮百年目、討死ぞ」
浄瑠璃新うすゆき物語(1741)上「見付けられては百年め」

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改訂新版 世界大百科事典 「百年目」の意味・わかりやすい解説

百年目 (ひゃくねんめ)

落語別名番頭百年目》。原話は,《軽口東方朔(かるくちとうぼうさく)》(1762)所収の《手代の当惑》。ある大店(おおだな)のうるさ型の番頭が,店の者を叱り飛ばして店を出ると,途中で身なりを変えて,芸者幇間(たいこもち)を供(とも)に花見船を出した。酔った勢いで土手にあがって鬼ごっこをするうち,旦那とぱったり出会い,おどろいて帰って病気のふりをして寝てしまった。翌朝,旦那に呼ばれたので,クビを覚悟して行くと,ふだんの働きをほめられ,ただ,もう少し下の者をいたわるようにとさとされた。最後に旦那が,〈きのう会ったとき,お久しぶりと言ったのはどういうわけだ〉〈あんな不始末をお目にかけまして,これが百年目と思いました〉。上方種だが,東京でも口演される。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「百年目」の意味・わかりやすい解説

百年目
ひゃくねんめ

落語。別名『番頭百年目』。ある大店(おおだな)の口やかましい番頭が、奉公人たちをしかってから店を出て、途中で身なりを変え、芸者や幇間(ほうかん)を連れて花見船を出した。酔って土手に上り、鬼ごっこをしていると、旦那(だんな)にばったり出会う。番頭は仰天して店へ帰り、病気のふりをして寝てしまう。翌朝、旦那に呼ばれて行くと、意外にも日ごろの勤務ぶりを褒められ、もう少し下の者をいたわってやれと優しく諭される。最後に旦那が「きのう会ったとき、お久しぶりといったのはどういうわけか」「あんなざまでお目にかかり、もうこれが百年目(おしまい)と思いました」。上方(かみがた)落語でも口演されるが、東京でも大作の一つである。6代目三遊亭円生(えんしょう)が優れていた。

[関山和夫]

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デジタル大辞泉プラス 「百年目」の解説

百年目

古典落語演目ひとつ。大阪種。「番頭百年目」とも。

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