盆地霧(読み)ぼんちぎり

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「盆地霧」の意味・わかりやすい解説

盆地霧
ぼんちぎり

盆地にできる霧。放射霧蒸気霧である。周辺の山地斜面放射冷却し、それに接する空気も冷却して重くなり、流れ落ちて盆地にたまるので、平地の場合よりも放射霧はできやすい。甲府山形でよくみられ、蒸気霧(川霧)も混じっていることが多い。

[大田正次]

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百科事典マイペディア 「盆地霧」の意味・わかりやすい解説

盆地霧【ぼんちぎり】

よく晴れた夜間,放射冷却によってできた低温・湿潤の空気が,2〜3m/sの弱い風によって周囲の斜面から盆地にたまったとき発生する霧。放射霧一種。この種の霧の厚さは,地面から20〜30mくらいである。

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世界大百科事典(旧版)内の盆地霧の言及

【霧】より

…(c)谷霧 山頂で放射冷却によって生じた冷たい重い空気が,谷に流れ下りてたまり,水蒸気が凝結して生ずる霧。(d)盆地霧 盆地内は比較的大気が安定しており,地面の放射冷却によって霧が生じたり,山腹の放射冷却による冷たい重い空気が入りこんで霧が発生する。(e)都市霧 都市内や工場周辺では煙や粉塵が多く,これが凝結核になって霧が発生しやすい。…

※「盆地霧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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