目梨泊遺跡(読み)めなしどまりいせき

日本歴史地名大系 「目梨泊遺跡」の解説

目梨泊遺跡
めなしどまりいせき

[現在地名]枝幸郡枝幸町目梨泊

神威かむい岬南西の海岸段丘上に位置。背後には北見山系北端の珠文しゆぶん(七六一メートル)ポロヌプリ山(八四〇メートル)から続く標高三〇〇メートルほどの丘陵が迫り、遺跡周辺は小規模な河川によって開析された複雑な舌状地形を呈する。オホーツク文化期の集落遺跡。昭和四〇年代に北海道大学文学部附属北方文化研究施設によって六次にわたる学術調査が実施された。その後昭和六二年(一九八七)および平成二年(一九九〇)から同四年にかけて発掘調査が行われた。さらに平成一二年からは筑波大学による学術調査が三ヵ年にわたって実施された。遺跡はオホーツク文化期でも有数の規模を誇り、一万五〇〇〇平方メートルという広大な範囲に広がっている。現在までに全体の五割弱にあたる約七〇〇〇平方メートルが発掘され、鉄製品・青銅製品・銀製品・石器土器・土製品・骨角製品など三〇万点を超える膨大な量の遺物出土した。遺構としては竪穴住居跡六軒・土壙墓四八基・土壙一六五基が検出され、これ以外に魚骨や獣骨を廃棄・堆積したブロック二ヵ所が見つかっている。いずれもオホーツク文化期中期の刻文系土器群の時期から後期の貼付浮文系土器群の時期までの所産と考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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