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蕨手刀 わらびでのかたな

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

蕨手刀
わらびでのかたな

刀の一種。柄頭が屈曲して,さわらびの巻いた形に似ているのでこの名がある。鉄製で,刀身は共作り。全長 50cm内外のものが多い。刀身は幅広く,簡素な作りである。その源流は明らかでないが,古墳時代末期から平安時代初期に行われた。概して東日本からの出土例が多いが,伝世品正倉院宝物にある。

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百科事典マイペディアの解説

蕨手刀【わらびでとう】

柄(つか)の先端が早蕨(さわらび)の先のように屈曲した8―9世紀の鉄製の刀。北海道から九州にかけて分布し,北海道・東北では,墳墓副葬品として出土することが多い。

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世界大百科事典 第2版の解説

わらびでのかたな【蕨手刀】

把頭(つかがしら)が早蕨(さわらび)の巻いた形に似た曲線を描く鉄刀。全長50cm内外,刀身は幅広く短く,茎(なかご)をそのままとするのが特徴である。外装は把木を用いず,葛(つづら)などを直接に茎に巻き,喰出鐔(はみだしつば)・鎺(はばき)をつけ,鞘は木製で単脚または双脚の足金物あしがなもの)を2ヵ所につけ,鞘尾(さやじり)金具をはめる。把に比して身の短い型式が古く,身の長くなった型式が新しい。中部・関東・東北および北海道にわたる東日本に主として分布するが,北海道出土例は身の長さが把の3.5~4倍もあるものが多い。

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大辞林 第三版の解説

わらびてとう【蕨手刀】

古墳時代末から奈良時代・平安初期にかけて主に東日本で用いられた刀の一種。柄がワラビの芽のように屈曲している。わらびでのかたな。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

蕨手刀
わらびてとう

柄頭(つかがしら)の形状が蕨の巻いた形の曲線をもつ鉄製の刀。正倉院御物のなかにある「黒作横刀」が実例としてあり、奈良時代を中心とするその前後に盛行した刀の一種である。刀身と柄が一体につくりだされ、刀身は幅広く短いが、反りはあまりない。拵(こしらえ)は柄木を用いず、茎(なかご)に糸・樹皮などを直接巻いたあとに喰出鐔(はみだしつば)(はばき)をつけ、茎をそのまま柄とする特徴をもつ。鞘(さや)には木製のほかに革製のものもあったようであり、双脚か単脚の足金物(あしかなもの)がつく。小円墳・横穴墓の副葬品として発見されるものが多く、岩手県熊堂古墳では和銅開珎(かいちん)と共伴している。ほかに住居址(し)からも発見されている。石井昌国(まさくに)の調査によれば183口が確認されており、その分布状況も北海道、東北(岩手・宮城両県が全体の50%を占める)を中心として関東、中部の東日本に多くみられる。従来、柄に比して身の短く幅広いものが古く、身が柄に比して細長いものが新しいといわれる。この刀の発生については頭椎大刀(かぶつちのたち)からの変化説や、外来説、刀子(とうす)を起源とする説などがあるが不明確である。しかし、平安時代の衛府(えふ)官人が用いた毛抜形太刀(けぬきがたたち)は、この刀が発達したものとされている。[後藤喜八郎]
『石井昌国著『蕨手刀――日本刀の始源に関する一考察』(1966・雄山閣出版)』

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