真壁騒動(読み)まかべそうどう

改訂新版 世界大百科事典 「真壁騒動」の意味・わかりやすい解説

真壁騒動 (まかべそうどう)

1876年11月末から12月初めにかけて茨城県真壁郡飯塚村ほか26ヵ村で起こった石代相場引下げ要求の一揆。茨城県は明治9年度貢租金納入に対し前年米価によって年内に6割を納めさせ,次の納期の翌年2月になって過不足を精算する方針をとった。ところが1875年の石代相場1石5円15銭に対し,76年には3円23銭弱と下落し,農民は1875年の米価をもって貢納すれば76年の収穫米全部を要するほどであった。そこで飯塚村などの農民はしばしば石代相場の引下げを嘆願したが聞き入れられず,ついに蜂起した。県は巡査および旧下館藩の士族をもって一揆を鎮圧し首謀者など160余人を検挙した。しかし一揆は真壁郡同様に高い石代相場に苦しんでいた同県那珂郡の農民にも飛火する。これらの一揆の直接の理由は石代相場の引下げ要求であるが,当時茨城県では地租改正事業が進行中で改租の費用負担,畑地の増租などをふまえて一揆が起こっており,伊勢暴動などとともに地租改正反対一揆として77年1月の減租を引き出す大きな力となった。
地租改正 →地租改正反対一揆
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山川 日本史小辞典 改訂新版 「真壁騒動」の解説

真壁騒動
まかべそうどう

1876年(明治9)11月末~12月初めに茨城県真壁郡一帯におこった地租改正反対一揆。同年の米価下落に際して,田方正米納または時相場による石代納(こくだいのう),畑方貢租の旧慣復帰,地租改正入費の官費負担,学校賦課金廃止などを要求して,村内の中・上層農に指導された農民が各所集会を重ねた。宇都宮鎮台兵と鎮撫士族の投入騒動は鎮圧され,27カ村の農民が逮捕された。

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世界大百科事典(旧版)内の真壁騒動の言及

【真壁[町]】より

…とくに真岡(もおか)木綿生産地帯の一環として,縞木綿・さらし木綿の生産と取引が活発になり,六斎市も木綿取引を中心とする定期市に変じたが,19世紀に入ると周辺農村自体の商品流通が展開し,町屋村の定期市や商品取引は停滞した。1876年11月に地租改正反対一揆として有名な真壁騒動が発生した。【長谷川 伸三】。…

※「真壁騒動」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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