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地租改正反対一揆 ちそかいせいはんたいいっき

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大辞林 第三版の解説

ちそかいせいはんたいいっき【地租改正反対一揆】

地租改正に反対した農民一揆。地価算定・米価基準などをめぐって各地で一揆が起こり、特に、1876年(明治9)の三重・愛知・茨城などの一揆は大規模なもので、翌年地租率は0.5パーセント軽減された。

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世界大百科事典 第2版の解説

ちそかいせいはんたいいっき【地租改正反対一揆】

明治政府は1873年以来,従来の物納貢租の制度を改め,全国画一の定率金納の地租制度を施行したが,これに対して各地の農民は反対闘争を起こした。この闘争は,政府・府県による地租改正実施の進行事情,実施の段階,実施方法の差異と,各地域の政治的・経済的諸条件によって異なった形態と特徴をあらわす。ここでは改租の段階に応じて反対闘争に四つの段階を設けて記述する。 第1段階の闘争は,(1)地押丈量・地券名請をめぐる対立,(2)地租改正入費の負担,(3)地租徴収にいたるまでの石代納制をめぐる対立などが原因となっている。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

地租改正反対一揆
ちそかいせいはんたいいっき

1873年(明治6)7月から始められた地租改正に対する反対一揆。旧貢租と変わらぬ高額の予定地租を上から強力的に押し付けていく形で実施された地租改正は、農民の間に広範な不満を生み出した。そして増租となった地域を中心に、全国各地でさまざまな抵抗とさらには反対一揆を引き起こし、その件数は50件を超えた。
 この地租改正反対一揆は、次の二つの類型=段階に分けられる。第一は、打毀(うちこわし)、焼打ちといった激烈な展開を特徴とするもので、いずれも地租改正事業の初期段階(1876)に発生した。それは、和歌山県那賀(なが)・日高両郡の一揆、三重・愛知・岐阜・堺(さかい)(現奈良)の四県に広がった伊勢(いせ)暴動、茨城県那珂(なか)・真壁(まかべ)両郡の一揆などに代表される。これらの一揆は、政府に大きな衝撃を与え、地租率の引下げ(地価の3%→2.5%)という譲歩をかちえた。しかし、この類型は組織形態、要求の質のうえで種々の限界をもち、地租改正反対一揆の初期的形態=段階をなすものであった。それに対して第二は、激烈な形態をとらず、県・政府(地租改正事務局)を相手とする長期にわたる粘り強い反対運動の形態をとったことを特徴とする。これは、新潟県蒲原(かんばら)郡、石川県(現福井県)越前(えちぜん)七郡、愛知県春日井(かすがい)郡、筑摩(ちくま)県(現長野県)伊那(いな)郡の一揆などに代表される。組織形態、要求の質などの点において、この類型こそが地租改正反対一揆の本来的形態=段階をなすものであった。すなわち、これらの一揆は、地租改正事業の本格的な進展段階において、それへの全面的な対決として展開したからである。組織形態の面では、高額地租(増租)の押し付けに対する反対の要求を軸に、地主を含めた広範な農民の結集によって闘われた。また要求の質の面では、地租改正への反対が、結果としての増租への反対を軸としながらも、単にそれにとどまらず、地価決定過程や地価算定方式の不当性に対する批判など、地租改正そのものへの批判に基礎づけられていた。以上の特質から、地租改正反対一揆は、旧来の農民一揆の限界を乗り越えて発展する契機を含むものであった。そしてそれは、農民の政治的意識を大きく揺り動かすことによって、自由民権運動へ連係発展するなど、自由民権運動の全国的な展開と高揚への基盤を形づくった。こうして地租改正反対一揆は、孤立分散的な農民一揆から全国的政治闘争である自由民権運動への過渡としての位置を占めるものとなった。[近藤哲生]
『土屋喬雄・小野道雄編『明治初年農民騒擾録』(1953・勁草書房) ▽有元正雄著『地租改正と農民闘争』(1968・新生社) ▽大江志乃夫著『明治国家の成立』(1959・ミネルヴァ書房) ▽大槻弘著『越前自由民権運動の研究』(1980・法律文化社) ▽近藤哲生著『地租改正の研究』(1967・未来社)』

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