眼代(読み)ガンダイ

デジタル大辞泉 「眼代」の意味・読み・例文・類語

がん‐だい【眼代】

代官本官代理の職。鎌倉時代、主に武家で用いられた。→目代もくだい

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精選版 日本国語大辞典 「眼代」の意味・読み・例文・類語

がん‐だい【眼代】

  1. 〘 名詞 〙 代官。本官の代理の職。「武家式目抄」には主として武家の職名として使われた、とあるが、公家の側にも多く見られる。→目代(もくだい)
    1. [初出の実例]「凡実平貞心者、難傍輩之上、守眼代器、委付西国巨細訖」(出典吾妻鏡‐元暦元年(1184)三月一七日)

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改訂新版 世界大百科事典 「眼代」の意味・わかりやすい解説

眼代 (がんだい)

鎌倉時代の武家の職名で,本官の代理の職すなわち代官をさす言葉として用いられた。多く守護代・地頭代の別称として用い,その耳目に代わる意から,国司目代(もくだい)と区別するために眼代と呼ばれた。《武家名目抄》には〈眼代を目代といふに同しく人の耳目に代るのこころなり。……鎌倉殿の時には国司の代官を目代と称せし故にそれと名称のまきれん事をいとひて武家には代官の事を眼代とよはれしなり〉とあり,その由来が示されている。眼代の設置の史料としては,土肥実平梶原景時が巡国の惣追捕使となり,その代官として眼代を補置したとある《吾妻鏡》(文治1年(1185)4月26日条)の例が早いものである。以後同書には伊勢国沼田御厨地頭畠山重忠の眼代の事例(文治3年6月29日条)など守護や地頭の代官として眼代の呼称が多く散見する。室町期になると国司制度の形骸化にともない目代の意義が少なくなり,眼代を目代と称することもあった。
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