(読み)ボク

デジタル大辞泉 「睦」の意味・読み・例文・類語

ぼく【睦】[漢字項目]

常用漢字] [音]ボク(漢) [訓]むつむ むつぶ むつまじい
人々が仲よく寄り合う。仲よくする。「親睦和睦
[名のり]あつし・ちか・ちかし・とき・とも・のぶ・まこと・む・むつ・むつみ・よし・よしみ・りく
難読睦月むつき

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精選版 日本国語大辞典 「睦」の意味・読み・例文・類語

むつ‐び【睦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「むつぶ(睦)」の連用形名詞化 ) 親しくなること。親しい交わりや感情。むつみ。親睦。
    1. [初出の実例]「蘇我倉山田麻呂の長女を納れて妃(みめ)と為て、婚姻(むこしふと)の眤(ムツヒ)を成さむ」(出典日本書紀(720)皇極三年正月(岩崎本訓))

むつ‐み【睦】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「むつむ(睦)」の連用形の名詞化 ) むつむこと。また、その気持。むつび。
    1. [初出の実例]「とし玉をいたう又々申うけ〈蝉吟〉 師弟のむつみ長く久しき〈芭蕉〉」(出典:俳諧・芭蕉桃青翁御正伝記(1841)貞徳翁十三回忌追善俳諧)

むつ【睦】

  1. 〘 造語要素 〙 むつまじい、親しい、などの意を表わす。「むつぶ」「むつまし」などの形で用いられるほか、名詞と熟して用いられる。「むつごと」「むつたま」「すめむつ」など。

むつまじ【睦】

  1. 〘 形容詞シク活用 〙むつまじい(睦)

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普及版 字通 「睦」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 13画

[字音] ボク
[字訓] むつむ・したしむ・やわらぐ

[説文解字]

[字形] 形声
声符は(りく)。は來(来)母(らいぼ)の字であるが、來母の字に(明)母(めいぼ)の音と通用する例が多い。〔説文〕四上に「目順(したが)ふなり」とし、「一に曰く、(つつし)みて和するなり」とあり、親睦の意。〔周礼、地官、大司徒、注〕に「九族に親しむなり」という。また〔広雅、釈詁一〕に「信なり」とあり、王念孫の〔証〕に、穆と通用する字であるという。

[訓義]
1. むつむ、むつまじい、したしむ。
2. やわらぐ、なごむ、おだやか。
3. 穆と通じ、まこと。

[古辞書の訓]
名義抄〕睦 ムツブ・ムツマジ・ミル・ヤハラグ 〔字鏡集〕睦 ミル・ヤブル・コヒタリ・ムツマジ・ヤハラカナリ・シタガフ・ヤハラグ・ムツブ

[語系]
睦・穆miukは同声。穆は穀実が熟して、まさに剖(さ)けようとするときの形で、うちに充実する意がある。

[熟語]
睦愛睦誼睦熟・睦親睦崇睦族睦睦・睦友睦雍睦隣
[下接語]
愛睦・協睦・恭睦・孝睦・慈睦・修睦輯睦粛睦・親睦・篤睦敦睦・友睦・雍睦・隣睦・和睦

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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