竹または丸太を組んで,人が通れない程度に粗く作った,臨時あるいは応急の柵。丸太矢来は丸太を掘立てとし,根元には根がらみ貫(ぬき),その上に通し貫を2本ほど水平に通して,縄で結びつけて固める。竹矢来は丸太柱を掘立てとし,横に竹を通して,縦に矢来子(やらいこ)の竹を縄で結びつける。矢来子を交互に斜めにたてるのが菱矢来,縦横に通すのが角矢来である。《洛中洛外図》などには,室町時代末期から江戸時代初期にかけて,京都四条河原でさまざまな踊り,歌舞伎などが演じられたようすが描かれるが,これらの舞台は竹矢来に筵(むしろ)や幔幕(まんまく)をひきめぐらして作っている。江戸においても,人々の集まる広場としての役割を果たしていた両国広小路,江戸橋広小路などでは,火除地(ひよけち)であるため恒久的な施設は作れなかったが,交通規制のための矢来が作られ,また許可を得て各種見世物や芝居,相撲などの興行を行う場合は,まず矢来で囲って場所を作り,簡単な小屋掛けをして葭簀(よしず)を張るなどして舞台をしつらえた。
執筆者:玉井 哲雄
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