虎落笛(読み)モガリブエ

百科事典マイペディアの解説

虎落笛【もがりぶえ】

冬の寒風が柵(さく)や竹垣に吹き当たってヒューヒューなる現象。物理的には障害物の風下側にできるカルマン渦によって起こるエオルス音である。虎落は軍(いくさ)などのとき竹を組んで柵とした矢来(やらい)のようなもの,また竹を立て並べた紺屋(こうや)などの物干しをいう。

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大辞林 第三版の解説

もがりぶえ【虎落笛】

冬の強い風が柵さくや竹垣・電線などに吹きつけて発する笛のような音。 [季] 冬。 《 -眠に落ちる子供かな /虚子 》

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

虎落笛
もがりぶえ

虎落とは竹を筋違いに組み合わせた柵(さく)。矢来のこと。また竹の枝付きの立てかけたものをいう。冬の烈風がこれに吹き付けるときに鳴る「ひゅーひゅー」という音を虎落笛という。これは障害物の背後に乱れたたくさんの空気の小渦ができるためにおこるものである。冬の季語。[根本順吉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内の虎落笛の言及

【エオルス音】より

…エオルスの名はギリシア神話の風神アイオロスAiolosに由来する。日本には古くから虎落笛(もがりぶえ)という言葉があり,冬の季語になっているが,これは冬の季節風が柵や竹垣の狭いすき間を吹き抜ける時に出すエオルス音をいう。【畠山 久尚】。…

【季語】より


[冬]
 小春(こはる)(陰暦10月の異称),師走,寒の入り(冬至の後15日目。小寒),大寒(二十四節気の一つで寒さの頂点),寒中(小寒から節分までの間),冴(さ)ゆる(透徹した寒さの感じ),凩(こがらし)(11月前後の強風),風花(かざはな)(晴天を飛ぶ雪),虎落笛(もがりぶえ)(烈風が竹垣などに吹き当たってたてる音),年の市(新年用の物品を売る市),歳暮,時雨(しぐれ)(通り雨のように降る初冬の雨),雪催(ゆきもよい)(雪が降りそうなこと),山眠る(冬の山のようす),煤払(すすはらい)(かつて師走13日に行われた大掃除),年忘(忘年会),御用納(官公庁で年内の仕事を終りにすること),寒稽古,厄落(やくおとし)(厄年の者が厄払いをする節分の行事),寒造(かんづくり)(寒中の水で醸造した酒),冬籠(ふゆごもり)(冬のあいだ,家の内へひきこもること),火事,顔見世(顔見世の狂言。今は京都南座の12月興行をさす),寒念仏(かんねぶつ)(寒中の念仏修行者,またはその修業),冬眠,枯野,冬構(ふゆがまえ)(家や庭などに冬の用意をすること),亥(い)の子(陰暦10月の亥の日の行事),七五三,柚子湯(ゆずゆ)(冬至の柚子風呂),除夜(大晦日(おおみそか)の夜),大晦日(おおつごもりともいい12月の末日),行く年,年の暮,寒卵(貯蔵がきき滋養に富むという),枯尾花(かれおばな)(枯れ果てたススキ),炭焼,水鳥(水に浮く鳥の総称),河豚(ふぐ),牡蠣(かき),葱(ねぎ),障子,冬座敷(冬の構えをした座敷),湯婆(ゆたんぽ),蒲団(ふとん),褞袍(どてら)(丹前ともいい綿を厚く入れたふだん着),煮凝(にこごり)(煮魚の汁が凝り固まったもの),山茶花(さざんか),石蕗(つわ)の花(暖かい海辺に自生する),麦蒔(むぎまき)(初冬の農村行事であった),炉開(ろびらき)(陰暦10月の亥の日に初めて炉を開いた),雪囲(ゆきがこい)(家屋や庭木のための防雪装置),掛乞(かけごい)(売掛金の回収,または回収に歩く人),寒椿,寒梅(寒中に咲く梅)。…

※「虎落笛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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