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牧畑 まきはた

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

牧畑
まきはた

畜産と耕種を兼ねた農業経営方式のための畑。山野を木柵で4区に分ち,その4区間に作物の作付けと牛馬の放牧とを交互に輪転する耕地のこと。第1区には粟,ひえ,第2区には大豆,小豆,第3区には大麦,小麦,第4区には大麦,小麦と大豆,小豆というように順次4区間に輪作し,作付けしない間を牛馬の放牧に利用した。

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デジタル大辞泉の解説

まき‐ばた【牧畑】

《「まきはた」とも》区画を分けて耕作と放牧とを交互にする畑。地力を維持でき、ふつう4年周期の輪作を行う。

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百科事典マイペディアの解説

牧畑【まきはた】

畑を区切り放牧と耕作を輪換する畑。ふつう畑を木柵で4分し,第1区には夏季の放牧とムギまきつけ,第2区には前年からのムギ,アズキまたはダイズと夏季の放牧,第3区にはアワ,ヒエ,ソバなどと冬季の放牧,第4区にはダイズまたはアズキと冬季の放牧というように作付けする。
→関連項目切替畑

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世界大百科事典 第2版の解説

まきはた【牧畑】

もともと牧の畑という意味で,牧の一部を開墾して農耕地とし,耕作に利用しない期間は放牧地として村民の共同放牧にゆだねる畑地をいう。同じ土地がときには作物の作付けに,ときには牛や馬の放牧に利用され,農耕と放牧とが交替で転換する粗放的な土地利用法は,かつては対馬,種子島屋久島などでも粗放畑作である焼畑段階の一異型として不完全ながら行われていた。しかし,これが規則正しい順序で整然と行われたのは,隠岐島だけであって,そこではヨーロッパ中世の三圃制に類似の耕牧輪転農法が行われた。

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大辞林 第三版の解説

まきはた【牧畑】

数年ごとに放牧と耕作とを交互に行う畑。かつての隠岐島などに見られた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

牧畑
まきはた

牧畑ということばは、もともと牧の畑という意味で、牧の一部を開墾して農耕地として利用し、耕作に利用しない期間は放牧地として村民の共同放牧にゆだねる畑地のことをいったが、今日では牧畑といえば、かつて隠岐(おき)で行われていた耕牧輪転農法のことをさすのが普通である。隠岐では、平坦(へいたん)地や人家の近くに多い普通畑や水田を除き、一村内の全領域が山、谷を問わず通常木柵(もくさく)をもって四区牧に区分され、四つの牧にはそれぞれ次のような作物の作付けと牛馬の放牧とが行われた。すなわち、第一区牧には夏季の放牧と麦の作付け、第二区牧には前年からの麦とアズキ(または大豆)ならびに冬季の放牧、第三区牧にはアワ、ヒエ、ソバ類と冬季の放牧、第四区牧には大豆(またはアズキ)と冬季の放牧を行い、この土地利用法が年々四区牧間に第1、第2、第3、第4の順序で輪転し、各区牧は4年を周期として第5年目に第1年目の利用形態に復するのである。この農法が牧畑式または牧畑とよばれるものであり、農耕と放牧との有機的結合による地力維持の方法であるといえよう。しかし、作物の種類、種播(ま)きや収穫の時期などはこの経営方式によって制約され、ことに放牧は全村の共同で行われるので、封建農業の属性である耕作強制的性格が強く、第二次世界大戦後しだいに衰退した。[三橋時雄]
『三橋時雄著『隠岐牧畑の歴史的研究』(1969・ミネルヴァ書房)』

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世界大百科事典内の牧畑の言及

【隠岐】より

…対馬暖流の影響で本土よりは温暖で,県の海岸からのびる6000平方カイリの陸棚が隠岐堆などのすぐれた漁礁をつくっている。 産業は半農半漁で,耕地は17世紀末には畑地が主でしかも牧畑が大部分であった。18世紀末には全島各村に牧畑があり,とくに島前では98%が牧畑であった。…

【農業】より

…(1)遅れた農業の残存 近世に入って急増する史料の示すところでは,農家の形態も多様であり,使用労働力にも下人労働から日雇労働まで性質の違う多様のものがあり,技術面にも多くの遅れたものを残している。畑作では焼畑,牧畑があり,稲作では湿田における直播農業も各地に残っている。それらのなかには,連年作付けの普通畑作や田植をする普通稲作の補充物にすぎないものもあるが,焼畑のうちには対馬の木庭作(こばさく),隠岐の牧畑のように地域の農業の中心となるものもある。…

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