硫化銀(読み)リュウカギン

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精選版 日本国語大辞典 「硫化銀」の意味・読み・例文・類語

りゅうか‐ぎんリウクヮ‥【硫化銀】

  1. 〘 名詞 〙 硫黄と銀の化合物。化学式 Ag2S 黒い粉末または灰黒色の結晶。銀器の表面が空気中の硫黄や硫黄化合物に触れると硫化銀を生じ暗黒色になる。

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化学辞典 第2版 「硫化銀」の解説

硫化銀
リュウカギン
silver sulfide

Ag2S(247.80).天然には,輝銀鉱または針銀鉱として産出する.銀の可溶性塩の水溶液硫化水素を通すか,または窒素中,250 ℃ で銀と硫黄とを直接反応させると得られる.黒色の粉末.α形とβ形が知られている.α形は高温で安定であり,立方晶系,赤銅鉱型構造.β形は斜方晶系.転移点175 ℃.銀塩のなかでもっとも水に不溶性で,溶解度1.8×10-17 mol L-1 である.濃硫酸,硝酸,シアン化カリウム水溶液に溶ける.銀製品の表面が黒くなるのは空気中のH2SやSO2と反応して硫化銀を生じるためである.銀の製造原料,陶磁器の金属細工(硫化銀粘土),写真のセピア調色に用いられる.[CAS 21548-73-2]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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