碁盤人形(読み)ゴバンニンギョウ

デジタル大辞泉 「碁盤人形」の意味・読み・例文・類語

ごばん‐にんぎょう〔‐ニンギヤウ〕【碁盤人形】

碁盤の上に小型の操り人形をのせて舞わせる座敷芸。また、その人形。

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精選版 日本国語大辞典 「碁盤人形」の意味・読み・例文・類語

ごばん‐にんぎょう‥ニンギャウ【碁盤人形】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 座敷での芸の一つ。操人形(あやつりにんぎょう)を碁盤の上にのせて、その背後から手を入れ、踊らせる技。また、その人形。
    1. 碁盤人形<b>①</b>〈一心女雷師〉
      碁盤人形〈一心女雷師〉
    2. [初出の実例]「立ツ松三郎兵衛がごばん人形の弁慶を見るが如く」(出典:随筆・独寝(1724頃)下)
  3. 舞踊一種。子供役者などが碁盤の上で操人形をまねた所作をする芸。
    1. [初出の実例]「絶間介太夫其外一家の人々芸者に成りこはんにんきゃうその外いろいろの芸を尽し」(出典:歌舞伎・一心女雷師(1699)五)

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改訂新版 世界大百科事典 「碁盤人形」の意味・わかりやすい解説

碁盤人形 (ごばんにんぎょう)

操り人形の一種。また人形をまねた踊り。宇治加賀掾元禄(1688-1704)ころ浄瑠璃《義経追善女舞》に,手妻(てづま)人形を碁盤の上で遣ったことがみえるが,そのはじまりは不明。江戸でも同じ元禄期に小山次郎三郎が碁盤人形を得意とし,碁盤操り浄瑠璃碁盤人形と称して上演したことが,《松平大和守日記》にみえる。これが歌舞伎にも入り,子ども役者が碁盤の上で踊りをみせ,また座敷芸ともなった。元禄の篠塚庄松,宝永(1704-11)の篠塚菊松などが有名で,奴踊を碁盤の上で踊る絵ものこっている。また,歌舞伎役者で所作事の上手であった佐渡嶋長五郎は,5歳のときから碁盤人形で人気を博し,9歳まで踊ったと《佐渡嶋日記》にみえる。明治期に高座で落語家が踊ったことがあり,2代三遊亭円三郎の《紺の前垂》や桂扇枝の《松尽し》が有名。京都の祇園では子どもの舞妓を碁盤人形と呼ぶことがあった。
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