社会タイムス(読み)しゃかいタイムス

改訂新版 世界大百科事典 「社会タイムス」の意味・わかりやすい解説

社会タイムス (しゃかいタイムス)

1952年3月1日から54年5月31日まで発行された日刊紙。分裂後の社会党左派,労働組合員,文化人らによって組織された株式会社社会タイムス社の発行になり,主要株主は日教組,社会党,炭労全逓私鉄総連,電産,国労などであった。代表取締役編集局長に青野季吉専務取締役に江田三郎,取締役に清水幾太郎,高野実らが就任した。サンフランシスコ講和条約成立後の大新聞の紙面構成の変質(平和主義的な主張の後退)のなかで〈平和・独立・自由を守りぬくたたかいの一翼に参加する〉を編集綱領としながら,機関紙ではなく一般大衆紙をめざし,新聞協会,共同通信にも加盟した。2ページ建てで,印刷は東京タイムズに委託。そのため夕刊でありながら締切りは前日夕刻で,間もなく朝刊に切り替えたものの,ニュースの立遅れに悩み続けた。定価は1部3円,月ぎめ100円で,販売も初め産業経済新聞,のち朝日新聞に委託したが,専売制への移行期で独自の販売ルートをつくろうとしたが,積極的な協力を得られなかった。一時4万だった部数も2万5000~2万6000に落ち,創刊から2年3ヵ月で休刊,再建を図ったが再刊できず,そのまま解散した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「社会タイムス」の意味・わかりやすい解説

社会タイムス
しゃかいタイムス

1950年代にあった進歩的な大衆日刊紙。創刊 51年3月1日。代表取締役兼編集局長が文芸評論家の青野季吉で,社会党の江田三郎が専務であったことからわかるように,総評 (日本労働組合総評議会) ,日本社会党,および進歩的文化人らが協力した異色の新聞。部数は3万前後であったが,営業活動の不振のため 53年6月廃刊。

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