祗承(読み)しぞう

精選版 日本国語大辞典 「祗承」の意味・読み・例文・類語

し‐ぞう【祗承】

〘名〙 (「ぞう」は「贈(おく)る」意の「承」の呉音)
① (━する) 勅使がおもむいたとき、つつしんでもてなし仕えること。
続日本紀‐天平三年(731)一一月癸酉「鎮撫使三位随身四人、四位二人、並負持弓箭、朝夕祗承」
② 勅使が下向の時の接待にあたる役。〔太神宮諸雑事記(11C中か)〕
※外宮子良館旧記(16C)「御宝物つつみの御布、子良館へ取り候て、一祗承(しそう)は祭主殿に一人、宮司殿に一人」

し‐しょう【祗承】

〘名〙 (「書経‐大禹謨」の「文命敷於四海、祗承于帝」による語) =しぞう(祗承)
菅家文草(900頃)一・九日侍宴同賦喜晴「車書之所祗承、詎不一喜而重喜者乎」 〔曹植‐上責躬応詔詩〕

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デジタル大辞泉 「祗承」の意味・読み・例文・類語

し‐ぞう【×承】

奈良平安時代勅使地方に下向したときの供応などをつかさどること。また、その役人

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普及版 字通 「祗承」の読み・字形・画数・意味

【祗承】ししよう

つつしんでうける。〔書、大禹〕曰(ここ)に古の大禹を稽(かんが)ふるに、曰く、命四(あまね)く、祗みてに承けたり。

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